死ネタ
そろそろ別れるか、
妖一の口から、
願ってもない嫌なセリフを聞かされた。
多分雨が降っているのだろう、シトシトとイラつく音がして、
初めて入れてくれた部室の窓の外は、真っ暗だった。
初めて妖一が部室に入れてくれ、上機嫌だった私に飛び込んだ、聞きたくない話題。
別れる?そろそろ?そろそろって、何よ。まるで、今まで別れるタイミングが無かったみたいに。
ねえ、こっちを向いてよ。
私の目を見て話してよ。
別れるなんて、別れるなんて
「…やだよ。なんで?」
「お前だって、どうせ分かってただろうが。」
「分かってないよ。私、別れたくない」
分かってるって、何が?
もうすぐ私達が別れるってことを、私も分かってたってこと?
嫌に決まってるじゃん
私、妖一が好きなんだよ
代わりなんていないんだよ
妖一の、その目が好きなの。
妖一の、光る髪が好きなの。
全部、妖一、あなたしか持っていないんだよ
「何が、私の何がいけなかった?」
妖一の為に、デートだって我慢して練習の応援したんだよ、
妖一の為に、いっぱい尽くしたんだよ。
その度、ワリィな、とか、ありがとう、とか
誰も見たことがないような暖かい顔で、微笑んでくれた。
「私、別れたくないよ。妖一と一緒にいたいよ」
「俺は、もうお前が好きじゃない」
「っ!」
好きじゃない、って、ひどくない?
私がアンタの為にどれだけ
「なんで?私、妖一の為に、たくさん頑張ったのに、妖一の為だけに」
「うるせーよ、しつこい女は嫌われるぞ」
「私は妖一が全てだったのに」
妖一と付き合いだしてから、
たくさんの人が、
妖一を怖がって私と喋ってくれなくなった。
でも、それでも、妖一が、妖一が
「ねえ…妖一」
「私……どうなっちゃうの」
「別れるなんて…」
「うるせえよ黙れ」
「!!」
妖一は、今までどんな人に向けても、私にだけは一度も向けたことが無かった銃を、
簡単に私のおでこに当てた。
「妖、一…」
今日会ってから、一度も目をこっちに向けてくれないのは、なんで?
妖一の声が、いつもより低いのはなんで?
なんで、妖一は私のおでこに銃を押し付けてるの?
もう、私………
「…いいよ、別に撃っても。」
あ、初めて妖一がこっち向いてくれた。
妖一、びっくりした顔してる。
「だって、妖一の為だもん…。っていうか、私の為。」
どっちにしろ、妖一と一緒にいられないのなら、私の人生はもう真っ暗だもん。
どうせ死ぬなら、愛する人に殺されたいからね。
「気持ち良く、死にたい。よろしくね、妖一」
「…ふざけんな」
「………え」
パンッ
発砲(最期の私が見たその人の表情は、私でさえ見たことが無い、悲しい色をしていた)
…………………・
あとがき
暗いよー
とりあえず蛭魔への少ない(←)愛を綴った感じです。
タイトルセンス?が全くございませんごめんなさいすみません