※喧/嘩/番/長、星川夢
(星川とは、東北辺りの県の番長です)



修学旅行で初めて京都に来たけど…うん、なかなか良いところだね!

さあ、今から自由時間だ!

私はある人のもとへ走った。



「ねー、星川ー!」

私の彼氏であり、地元の番長でもある、星川。

もっぱら、今は全国制覇を目指すある番長に負けたらしいけど(笑)

「なんだよ伶奈」

「今からさー、私と一緒に二人で行動しない?」

「あ?あいつらどうすんだよ」

うぃ、と星川は少し離れたとこにいる、いつも一緒にいるツレを親指で指さした。

「いいじゃん、あんた番長なんでしょ?たまには俺抜きで遊んでこいって命令してきなよ。」

「…しゃーねーな!」

「わーい、ありがとーう!」

「ん、んじゃ俺はあいつらに断りに行ってくるわ」

「うん」

星川はツレの元へ行くと、事情を話し、わりーな、とでも言うふうに手を合わせていた。

…番長なのに、なんであそこまで頭下げれんだろ。

普通の番長なら、普通断りに行くこともしないだろうに。

ていうか、「ツレ」もおかしいよね。番長なら「子分」だよね。

星川のツレは全然いーぜ、と笑顔で承諾していた。


そんなこんな思ってると、星川はスキップで帰ってきた。

陽気だなオイ

「いいってさ」

「あんたって番長らしくないよね」

「あ?なんだよいきなり 喧嘩売ってんのか?」

「あんたみたいなフレンドリーな番長見たことない。これは褒め言葉」

「あぁ…そこが俺のいいとこだろ!」

「…まあそうかもだけどさー…」

「うら、行くぞ!」

星川は私の頭をがっしり掴んで、歩き始めた。

「わわっ、分かったから離して!」

「さー…まずはどこ行こっかなー…」


ピルルルルル!!

星川が考えていると、急にケータイの音が鳴った。

…いやな予感がした。

「…あ、俺のケータイだ、」

ピッ

「………」

「もしもーし、あい、あい、あ、さかもっさん?んあ、何、呼び出し?……ちょっと待ってて」

ピッ

「……誰だったの?」

「俺らの番長。悪い!呼び出しくらったから、ちょっと行ってくるわ!」

「…え」

「ほんとゴメン、今度なんか奢るから!」

…私なんかより、番長なんだ…

「…いや、いいよ、早く行っておいで」

私はできるだけ笑顔をつくり、星川を見送った。


「さんきゅ!」

星川はすぐ走っていった。


「…番長も大変だなー」


私はシロクマートで少年漫画雑誌とジュースとパンを買い、近くのベンチに座った。

すぐ近くに、青い制服の不良達がうんこ座りをしてくっちゃべっている。

「(…足痺れないのかなー)」

でも、

「(いいなー、一人じゃなくて)」

そう思いながら、少年漫画雑誌をめくった。




読み終わったころは、もう三時間以上経っていた。

「…こんな分厚い雑誌買うんじゃなかった」

なんで修学旅行で漫画買ってんだろ

「……でもでも!最後から三つめの漫画はすっごい面白かった!ねぇ星川も読んでみて…………、」

そこで私はハッとなる。

そうだよ…私、一人じゃん。
星川、いないんじゃん。


…あー、なんか腹立ってきた。

なんだよ星川の奴、こんなカワイイ彼女ほったらかしにして、番長のとこに急いで行きやがって。ホモかよ。


もう、腹が立って腹が立って……




「……ぐすっ」

泣けてくるよ。






…アンタは、一体私をどう思ってるの?



「ぐすっ……ふふ、」


…ま、少なくとも








1番大事なものは私じゃなくて、
(私でもなくて、喧嘩でもなくて、仲間なんだ)




…………………・

喧/嘩/番/長の超モブさん、
星川夢でした。
この後、まさに今ネガティブの最高潮を迎えているヒロインの元に星川くんが迎えに来てくれたらいいな。
さかもっさん→坂本さん。ゲームの主人公です。




 


×