※死ネタ注意
※!!バトテニ注意!!
※本家が15禁ですので、
こちらも15歳以下の方は
閲覧をお控えください。
※赤観
※赤澤視点
「ハァッ………」
どれくらいの時が過ぎたのだろう。
「どこにいるんだ…皆」
たくさんの生徒が参加しているはずなのに、
ルドルフテニス部はおろか、他のやつらにも出会えていない。
「無事だろうか…」
心配の矛先は、ルドルフテニス部のみだった。
大人びた雰囲気を持ち合わせながらも、
実際、まだまだ子供な奴らだ。
寂しがり屋は多いし、
1人じゃなにもできないやつだっている。
「待ってろよ…」
もしかしたら、そいつらはもう、生に執着したただの殺人鬼になってるかもしれないけれど。
「俺が、守ってやる」
*
「…ざわ、赤澤」
「…っ?」
茂みから声が聞こえる。
姿を現したのは
「…観月!」
観月だった。
「声を下げなさいバカ澤。早くこちらへ…」
手招きをする観月。
しかし俺は動かない。
確認しなければならないことがあるのだ。
「…赤澤?」
「無理だ。行けない、お前は、俺を殺すかもしれない」
言うと、観月はやれやれといった表情でまた口を開いた。
「そんな満面の笑みで言われても、こちらは疑われている気にならないんですが。」
「仕方ないだろ。人に会うの、初めてなんだ」
「…ハァ…寂しかったんですか。意外と」
「……。だが、疑わなければいけない。お前ともし戦うことになっても、俺には勝ち目がないからな」
「や…勝ち目がないのは、ボクの方ですよ」
「?」
観月はサバイバルナイフを取り出すと、俺に投げ渡した
「ボクの武器です。ボクはテニスではあなたに勝てますが、殺し合いは別です。必ず負けます。赤澤とボクの場合、単純な力の差で」
「………」
「ボクがあなたに戦闘意欲がないことを理解いただけましたか?」
「…あぁ」
「赤澤も、今、戦闘意欲がないことが伺えます。」
「その通りだ」
「なら、少し話をしましょう」
観月は再び俺を手招きした。
*
「他の奴には会ったか?」
「会ってはいません。ただ、ルドルフテニス部は、全員見かけました。」
「なにっ、なんで声かけなかったんだ」
「殺されるかもしれませんからね。全員の武器の把握だけしておきました。赤澤、実は、あなたも一度見かけました」
「…じゃあ、俺の武器も把握されていると。」
「そうなりますね。赤澤のくせに二丁拳銃。んふっ。似合いませんよ」
「はは、確かに…。…さすがだな。それから作戦を練って、俺らと戦うときに殺せるようにするのか」
「あ…いや、違います」
「え?」
観月は俺に十数枚の紙を渡してきた。
「ボクが書きました。」
一枚目の内容は、裕太について書かれていた。
裕太が持っている武器と、それをいかに有効に使えるか。
裕太の最大限の力を発揮できる作戦や、相性の悪い相手などが、事細かに書かれている。
二枚目は柳沢について。
内容は裕太と同様だった。
「これ…」
「部員全員分書きました。最終的に残るのは1人なんでしょうけれど、せめて生き残るのはルドルフの誰かであって欲しいですからね」
「すごいな…」
俺は、その紙を一枚ずつ眺めていく。
アイツはあの武器を持ったのか、アイツはこの武器か、いいな。
そのくらいの気持ちで読んでいた。
「まあ…渡せればいいんですけれど。」
「きっと渡せるさ」
「だと良いですね」
「………」
「………」
「………」
「………」
「…なあ、観月。」
「はい?」
「一つ、質問いいか?」
「んふっ、いいですよ」
「……俺の分の紙が無いのは、なんでだ?」
「ああ、気付きましたか…」
ゴリッ
すると突然、観月は、俺が持っていたはずの二丁拳銃の一つを俺の頭に押しあてた。
「…いつのまに」
「んふっ。あなたはいつでも鈍感なんですよ」
「…俺はやはり、ここでお前に殺されるのか」
「違いますよ…。ああでも、違くはないか」
「…なんでだ…?俺だってルドルフの一員だぞ。なぜ殺す?」
「確かにあなたはルドルフテニス部です。生き残る可能性も、ルドルフの中であなたが一番あります。」
「ならなんで」
「あなたには他の役割があるから」
「………」
観月は、俺の二丁拳銃のもう片方を取り出すと、今度はそれを観月自身の額へ当てた。
「お前、何してっ、」
「ボクの知らないところで赤澤が死ぬことは、赤澤が生き残ることより重大な問題なんですよ」
「…………」
「だから、一緒に死んでください。」
いつも余裕綽々な笑みをみせる観月はいなかった。
真剣で、まるでプロポーズのような。
「プロポーズみたいだ…」
そのまま思ったことを口にして、観月の手に自分の手を添えた。
「分かった。俺がお前を殺してやる。だからお前は俺を殺せ」
言うと観月はようやく安心したような微笑みをみせた。
「……ありがとうございます」
観月。最後まで守ってやるからな。
『本日の死亡者を報告する。赤澤吉郎。以上一名のみ』
………………・