※死ネタ注意
!!バトテニ注意!!
本家が15禁ですので、
こちらも15歳以下の方は
閲覧をお控えください。

※赤観
※赤澤視点









「ハァッ………」

どれくらいの時が過ぎたのだろう。

「どこにいるんだ…皆」

たくさんの生徒が参加しているはずなのに、

ルドルフテニス部はおろか、他のやつらにも出会えていない。

「無事だろうか…」

心配の矛先は、ルドルフテニス部のみだった。

大人びた雰囲気を持ち合わせながらも、
実際、まだまだ子供な奴らだ。

寂しがり屋は多いし、
1人じゃなにもできないやつだっている。

「待ってろよ…」

もしかしたら、そいつらはもう、生に執着したただの殺人鬼になってるかもしれないけれど。


「俺が、守ってやる」







「…ざわ、赤澤」

「…っ?」

茂みから声が聞こえる。

姿を現したのは

「…観月!」

観月だった。

「声を下げなさいバカ澤。早くこちらへ…」

手招きをする観月。
しかし俺は動かない。

確認しなければならないことがあるのだ。

「…赤澤?」

「無理だ。行けない、お前は、俺を殺すかもしれない」

言うと、観月はやれやれといった表情でまた口を開いた。

「そんな満面の笑みで言われても、こちらは疑われている気にならないんですが。」

「仕方ないだろ。人に会うの、初めてなんだ」

「…ハァ…寂しかったんですか。意外と」

「……。だが、疑わなければいけない。お前ともし戦うことになっても、俺には勝ち目がないからな」

「や…勝ち目がないのは、ボクの方ですよ」

「?」

観月はサバイバルナイフを取り出すと、俺に投げ渡した

「ボクの武器です。ボクはテニスではあなたに勝てますが、殺し合いは別です。必ず負けます。赤澤とボクの場合、単純な力の差で」

「………」

「ボクがあなたに戦闘意欲がないことを理解いただけましたか?」

「…あぁ」

「赤澤も、今、戦闘意欲がないことが伺えます。」

「その通りだ」

「なら、少し話をしましょう」

観月は再び俺を手招きした。




「他の奴には会ったか?」

「会ってはいません。ただ、ルドルフテニス部は、全員見かけました。」

「なにっ、なんで声かけなかったんだ」

「殺されるかもしれませんからね。全員の武器の把握だけしておきました。赤澤、実は、あなたも一度見かけました」

「…じゃあ、俺の武器も把握されていると。」

「そうなりますね。赤澤のくせに二丁拳銃。んふっ。似合いませんよ」

「はは、確かに…。…さすがだな。それから作戦を練って、俺らと戦うときに殺せるようにするのか」

「あ…いや、違います」

「え?」

観月は俺に十数枚の紙を渡してきた。

「ボクが書きました。」

一枚目の内容は、裕太について書かれていた。

裕太が持っている武器と、それをいかに有効に使えるか。
裕太の最大限の力を発揮できる作戦や、相性の悪い相手などが、事細かに書かれている。

二枚目は柳沢について。
内容は裕太と同様だった。


「これ…」

「部員全員分書きました。最終的に残るのは1人なんでしょうけれど、せめて生き残るのはルドルフの誰かであって欲しいですからね」

「すごいな…」

俺は、その紙を一枚ずつ眺めていく。
アイツはあの武器を持ったのか、アイツはこの武器か、いいな。
そのくらいの気持ちで読んでいた。

「まあ…渡せればいいんですけれど。」

「きっと渡せるさ」

「だと良いですね」

「………」

「………」

「………」

「………」

「…なあ、観月。」

「はい?」

「一つ、質問いいか?」

「んふっ、いいですよ」

「……俺の分の紙が無いのは、なんでだ?」

「ああ、気付きましたか…」


ゴリッ

すると突然、観月は、俺が持っていたはずの二丁拳銃の一つを俺の頭に押しあてた。

「…いつのまに」

「んふっ。あなたはいつでも鈍感なんですよ」

「…俺はやはり、ここでお前に殺されるのか」

「違いますよ…。ああでも、違くはないか」


「…なんでだ…?俺だってルドルフの一員だぞ。なぜ殺す?」

「確かにあなたはルドルフテニス部です。生き残る可能性も、ルドルフの中であなたが一番あります。」

「ならなんで」

「あなたには他の役割があるから」

「………」

観月は、俺の二丁拳銃のもう片方を取り出すと、今度はそれを観月自身の額へ当てた。

「お前、何してっ、」

「ボクの知らないところで赤澤が死ぬことは、赤澤が生き残ることより重大な問題なんですよ」

「…………」

「だから、一緒に死んでください。」

いつも余裕綽々な笑みをみせる観月はいなかった。

真剣で、まるでプロポーズのような。

「プロポーズみたいだ…」

そのまま思ったことを口にして、観月の手に自分の手を添えた。

「分かった。俺がお前を殺してやる。だからお前は俺を殺せ」


言うと観月はようやく安心したような微笑みをみせた。

「……ありがとうございます」


観月。最後まで守ってやるからな。











『本日の死亡者を報告する。赤澤吉郎。以上一名のみ』




………………・

 


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