※のっとbl
※最初から最後まで下ネタ






「ねぇねぇ、赤ちゃんってどうやってできるの!?」

「ぶっ!?」

剣太郎の質問に、その場にいたレギュラーは完全にキョドった。

俺は飲みかけの水を思いっきりダビデと亮にぶっかけ、ダビデと亮はそのまま固まった。
サエはどこかに足の小指をぶつけたらしく、うずくまっている。

「ねえ、なんで?」

「えーと…」

口火を切ったのは、首藤だった。

おおお前意外とやるじゃねえか…

「…俺樹っちゃんに用思い出した探してくる」

と思ったら逃げた。

意気地なしめえええ!!

「ねえったら!」

「剣太郎…前にも教えただろう?」

本当の口火を切ったのはサエだった。

ていうか、前にもそんな話したのかよ。

「キス、でできるんだよ」

おいおいおいそれ嘘まじか!w
それだと剣太郎は試合で「女の子とちゅー!」って言うたびに…ごにょごにょ!


「剣太郎も、あの時はそれで納得したじゃないか」

まじか!

「したけどさ、でも違うんでしょ?」

「うーん…気付かれたか」

「ほらー!」

「いやでも嘘ではないよ?子作りの過程では必ずあるだろうし。」

「そうなの?」

「ちょっとサエ、爽やかに子作りとか言わないでよ」

「…んーでもさあ、キスでできる訳ではないんでしょ?じゃあ、何したらできるの?」

「………」

どうしたものか。この一年部長。

教えようと思えば、教えることはできる。
だが果たしてそれが良いことなのか。
純粋にモテたい一心でテニスをする剣太郎がその事実を知ってしまい、ついでにあんなことやこんなことも知ってしまい、試合中に「これが決まったら女の子とワンナイカーニバル!」とか言いだしたらどうしよう。

きっとその場にいた剣太郎以外の全員がそんな感じのことを考えていたのだろう。

しばらくは誰も喋らなかった。

剣太郎はずっと「ねえ教えてよ」を繰り返す。何これそういうプレイ?

矢先、部室のドアが開く。

「…樹っちゃん!」

「…何なのね?」

何にも知らない樹っちゃんは、自分に視線が集中されたことに驚いている。

「樹っちゃん、聡は?」

「会ってないですけど」

やっぱアイツ逃げたか


剣太郎は首藤のことなんか忘れて、質問の矛先を樹っちゃんに向ける。

「樹っちゃん!赤ちゃんってどうやってできるの!?」

「………え?」

しばし沈黙。

樹っちゃんはこの世の終わりみたいな顔をした後、すごい勢いで俺達を睨んできた。

「…誰ですか?剣太郎に余計なこと言ったのは」

「!ち、違えよ樹っちゃん!」

「そうだよ、剣太郎が急に言い出したんだ」

「…そうですか」

樹っちゃんはとんでもない形相を元に戻すと、剣太郎に向かった。

「剣太郎」

「?」

ま、まさか、言うのか!?
樹っちゃん、言うのか!?
さすが俺らの母さん、行動に迷いがないな!


「赤ちゃんは、」

「うん」

「赤ちゃんは、コウノトリが運んできてくれるのね」

「へっ」

「え…」

「…」

ええええええええ!?

ダメだろ樹っちゃん!
それ系はもう剣太郎には効かないぜ!?

「えー!?でも、キスからの流れでできるんでしょ!?コウノトリなんていつ出てくるのさ!」

ほらもう剣太郎はオマセさんだぞ!

「うーん…剣太郎には難しいかもしれませんが」

「?」

「キスして、ちゃんと愛し合ってますよ、ていう行動を示したら。空からその様子を見てるコウノトリが、女の人のお腹に赤ちゃんを運んできてくれるのね」

「…へえ〜!」

…へえ。樹っちゃん、超うまく説明したな

なんかリアルに細かい説明だったから、俺まで信じちまうとこだった。


「コウノトリがお腹に、ねえ…」

「おう首藤、お前いつ帰ってきたんだ」

「さっき。なあ、コウノトリがお腹に赤ちゃんを運ぶって、それ実際には、俺らがコウノトリってことになるよな」

「おお…そうだな!俺らコウノトリ!」

思わず声を大きくすると、
ダビデの「バ、バネさん…やばいって」という声が聞こえた。

「なんだよ、」

「もし、そんなこと剣太郎に聞かれたら…あ。」

ダビデの視線の先には、キラキラした目で俺を見つめる剣太郎。

「僕ら、コウノトリなの!?僕らが赤ちゃんをお腹に運ぶって、どういうこと!?」

「…」

やっちまったああああ!!

せっかく樹っちゃんの話信じたとこだったのに!
思わず樹っちゃんに助けを求める目をすると、
樹っちゃんはもう知らないとでも言いたげな目で俺を蔑んでいた。

すると、ずっと黙っていた亮が立ち上がる。

「もう、剣太郎もいずれは大人なんだから、教えといた方がいい!」

そう言い放つと、剣太郎の耳元に寄った。

「おい!ちょ、待っ…!」

「あのね剣太郎、赤ちゃんは」

ズキューン!!!(伏せ字

「…………」

「分かった?」

「………」

「………」

「…よく分かんなかった、もっかい説明して?」

「…もうやだこの子!もう俺らやだ!他のヤツに聞け!!」

「えっ誰に」

「四天の白石とか!」

「いやアイツダメだ絶対悪影響!」

「観月でいいでしょ!?アイツなら保健体育の一環って言えばなんでも科学的に教えてくれるはず」

「いやでもアイツんとこ行くと髪無くなるんだろ!?剣太郎坊主なのに、これ以上は無理だ!」

「なにその都市伝説みたいな話!じゃあ誰に頼むのさ!立海の柳か!?立海の場所知らないよ!?」

「海沿いに歩いてたら着くんじゃない?」



「……えっもしかして僕、皆のこと困らせてる?」

「気付くの遅えよ!」



おわり。

おまけ↓

「……って訳で、頼むよ観月。」

「とんでもない巻き添えですっ!!!」






………………・
ふと思ったけど、子作りの方法を知っている樹っちゃんも嫌だ。

 


×