のっとbl
※もしも話
※もしも跡部が虐待を受けていたら。
※虐待を受けている設定です。お気をつけください
※虐待を受けている最中の描写はありません。
※忍足視点
「アーン?…嫌いな食べ物?」
「おん。新聞部の子らが知りたいねんて。普通好きな食いモン聞くやろに、そこで嫌いな食いモン聞くとかおもろいよなあ」
「ふーん」
「で、跡部は何?嫌いな食いモン」
「……白滝」
「は?」
「おでんの、白滝。コンビニのだ。」
「アレ嫌いなん?アレ、安いし美味いし最高やん」
「安くて美味いから、嫌いなんだ」
「…へえ(全然訳わからん)」
「忍足の嫌いな食べ物は何なんだ」
「納豆」
「やっぱりな」
*
夜、小腹を空かした俺がコンビニへ行くと、そこに跡部がおった。
「跡部やん。どないしたん」
「買い物だ」
跡部はおでん売り場の前に立って、次々と具を器に入れとる。
「…………白滝ばっかりやん、きもちわる」
器の中は見事に白滝。真っ白やった。
「…てか、跡部、今日、コンビニの白滝嫌いって言うたばっかやんか。ほんまどないしたん」
「これしか食わせてもらえねえ」
「…、」
ある噂が脳裏をよぎる。
跡部が父親から虐待を受けているという噂。
身体的虐待ではなく、精神面からの暴力をふるわれていると聞いたような。
(白滝ばっか食わされとる時点で…身体的虐待やんか)
「黙って、白滝以外のやつ買えばええやんか…」
「レシートも確認されるし、アイツの目の前で白滝食わなきゃなんねーんだ。白滝すすってる俺を、嬉しそうに眺めてる。イカれた野郎だぜ」
「…そっか…」
「“安くて美味いんだから、お前はこれで冬越してろ”だとよ」
「…、」
「実際に白滝は安いし、めちゃくちゃ美味い」
「…おん」
「だから、嫌いなんだ…心のどっかで俺は納得して、ずっと白滝食ってる」
「…」
「安くて美味いから嫌いだ」
「………」
白滝を山盛り入れた跡部は、おでん汁をこれでもかってくらいぶっかけて、レジへ向かった。
店員が、あからさまに困って、跡部に「これ、何個入っているんですか?」と聞いていた。
「ありったけの白滝を入れてやったぞ。喜べ」
「……。」
そういうことやないやろ。
俺はその光景を横目に見ながら、サンドイッチを手にとり、隣の空いとったレジに行く。
…跡部にも、なんか買うたろ。
甘くて、暖かいやつ。ゆーしお兄さんが買うたろ。
「…すんません、あんまんください」
「あ、丁度きれてますすいません」
「…じゃあ肉まんでええわ」
おわり
………………・
緑山中高瀬に続くもしも話でした(^^)
ど、どうしてもギャグ方向に持っていきたくなる…!
ラストはブリトラネタでした。
まあ、白滝ばっか食ってる人に跡部キングダムつくれないか