のっとbl

※もしも話
※もしも跡部が虐待を受けていたら。
※虐待を受けている設定です。お気をつけください
※虐待を受けている最中の描写はありません。

※忍足視点




「アーン?…嫌いな食べ物?」

「おん。新聞部の子らが知りたいねんて。普通好きな食いモン聞くやろに、そこで嫌いな食いモン聞くとかおもろいよなあ」

「ふーん」

「で、跡部は何?嫌いな食いモン」

「……白滝」

「は?」

「おでんの、白滝。コンビニのだ。」

「アレ嫌いなん?アレ、安いし美味いし最高やん」

「安くて美味いから、嫌いなんだ」

「…へえ(全然訳わからん)」

「忍足の嫌いな食べ物は何なんだ」

「納豆」

「やっぱりな」





夜、小腹を空かした俺がコンビニへ行くと、そこに跡部がおった。

「跡部やん。どないしたん」

「買い物だ」

跡部はおでん売り場の前に立って、次々と具を器に入れとる。

「…………白滝ばっかりやん、きもちわる」

器の中は見事に白滝。真っ白やった。

「…てか、跡部、今日、コンビニの白滝嫌いって言うたばっかやんか。ほんまどないしたん」

「これしか食わせてもらえねえ」

「…、」

ある噂が脳裏をよぎる。

跡部が父親から虐待を受けているという噂。

身体的虐待ではなく、精神面からの暴力をふるわれていると聞いたような。

(白滝ばっか食わされとる時点で…身体的虐待やんか)

「黙って、白滝以外のやつ買えばええやんか…」

「レシートも確認されるし、アイツの目の前で白滝食わなきゃなんねーんだ。白滝すすってる俺を、嬉しそうに眺めてる。イカれた野郎だぜ」

「…そっか…」

「“安くて美味いんだから、お前はこれで冬越してろ”だとよ」

「…、」

「実際に白滝は安いし、めちゃくちゃ美味い」

「…おん」

「だから、嫌いなんだ…心のどっかで俺は納得して、ずっと白滝食ってる」

「…」

「安くて美味いから嫌いだ」

「………」

白滝を山盛り入れた跡部は、おでん汁をこれでもかってくらいぶっかけて、レジへ向かった。

店員が、あからさまに困って、跡部に「これ、何個入っているんですか?」と聞いていた。

「ありったけの白滝を入れてやったぞ。喜べ」

「……。」

そういうことやないやろ。

俺はその光景を横目に見ながら、サンドイッチを手にとり、隣の空いとったレジに行く。

…跡部にも、なんか買うたろ。

甘くて、暖かいやつ。ゆーしお兄さんが買うたろ。


「…すんません、あんまんください」

「あ、丁度きれてますすいません」

「…じゃあ肉まんでええわ」



おわり



………………・
緑山中高瀬に続くもしも話でした(^^)

ど、どうしてもギャグ方向に持っていきたくなる…!

ラストはブリトラネタでした。

まあ、白滝ばっか食ってる人に跡部キングダムつくれないか


 


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