不二誕


4年に一度。

閏年の記念すべき日。

何を隠そう、今日は僕の誕生日だった。

「ふふ」

一番嬉しかったプレゼントは、テニス部レギュラーからのプレゼントだ。

「これはさすがに被れないな」

園児が被る、黄色いボウシ。

レギュラーが全員ドヤ顔をして、一歩前に出たドヤ顔(多分)の手塚の手の平に乗ったボウシの光景を思い出してはまた笑う。

「どれ」

試しに頭に乗せてみると、やはり小さすぎたのか頭から転げ落ちてしまった。

手を伸ばしてそれを拾う。
一人の部屋で、終始ニヤニヤしている僕はさぞかし不気味だろう。

だが今日はなんと言われたっていい。
嬉しいからだ。

「(…あ、もしかして)」

4歳を迎えた今日、黄色いボウシを貰えたということは。
7歳を迎えた年にはランドセルを貰えたりするのだろうか。

「(それは楽しみだ)」

ゲンキンかもしれないけれど、卒業しても会えなくなっても、ずっと友達でいたいと思った。



携帯が鳴る。
ディスプレイを見ると、裕太からの着信だった。

急いで手にとる。

今は、もし電話口で観月が待ち構えていたとしても歓迎してしまいそうな気分だ。

「もしもし」





………………・
不二先輩Happybirthday!!!!

ありきたりですみません
既出だったらもっとすみません…!



2012/02/29(0)