#ac2_total# 小説2 | ナノ

 

あ:愛し愛され(真田)
愛されなくても愛せるけど、愛した以上愛されたい。
今日も私は、テニスに嫉妬する。
報われないにも程がある。


い:今と昔を比べないで(幸村)
変わって、離れて、傷つく心。
もう好きじゃなくなったから、って言えばいいじゃない。
徐々に見つけてきたサヨナラの理由。
これが最後なのに、そんな愛しげに触れないで。
傍にはいてくれない癖に。


う:歌が聴こえる(柳生)
遠くで聴こえる合唱部のメロディ、夕陽の射し込む廊下。
今なら、言えそう。
「あっ柳生くん!…部活がんばって」
「…はい、ありがとうございます」

今日のところは笑顔が見れたから、やっぱり明日でいいや。


え:笑顔で(神尾)
あんだけ泣いてるくせに、アイツの前だと笑うのな。


お:おもちゃ箱の中(千石)
お店に並んでるときは欲しくて欲しくてたまらなかったおもちゃが、急激に色褪せる瞬間。
手に入れられたらそれで最期。
何度口説かれても、臆病な私は絶対あなたのものになんかなれない。


か:蟷螂のゆくえ(切原)
子供のころは毎年捕まえに行ったのに、
虫が苦手になったわたしと、テニスに夢中になった君。


き:菊のはなびら
叶わなくて泣くくらいなら死にたい。


く:空気は清浄(仁王)
寒がりなあなたが換気なんて珍しいこともあるもんだね。
ベッドからほのかに香る、わたしとは違う香水の香り。


け:刑事もの(幸村)
「また浮気されたのか?」
「…今度は許せそうにないんだよね」
「この前もそう言っていただろう」
「ねえ真田、何かあったらちゃんと止めてくれよ。相手の男に鉢合わせたら殺しそうだからさ」


こ:こころ(伊武)
すごいすごい。
あんなことしてあんなこと言ってあんなに傷つけたのに、まだそんなこと言うなんて。


さ:サイコ(幸村)
愛してるから許してなどあげない。
一緒になら、滅びても平気。


し:屍(越前)
「私、リョーマのためなら死ねるよ!!」
「うん」
「えっちょっと私本気で思ってるんだけど」
「うん」
「…やっぱ生意気」
「でも俺のためって思うなら死なないで傍にいてよ」
「えっ」


す:スリラー
親に嘘をついたら大人の始まり。
友達の家に泊まるなんて嘘がバレないか、ドキドキの真夜中。


せ:青春て何ですか(幸村)
取り戻せないものを数えきれないほど捨ててきた。
何もかも犠牲にしてここまで積み上げてきたのに、歩くことすらままならないなんて。


そ:ソクラテスの憂鬱(柳)
ここに、忘れられないほど非常に甘美だが、猛烈な毒を含んだ食べ物がある。
一時は無上の多福を得られるとしても、のちの中毒性に苦しめられることとなる。
果たしてそんなリスクを犯してまで手に入れるほどの価値がそれにはあるだろうか?
きっと見ているだけに留めておくのが賢明な判断だったのだ。
つまりは、そういうことだ。


た:対等に(越前)
「リョーマは可愛い弟だから」
俺のこと見ようとしないアンタの言い訳。


ち:知恵くらべ(柳生)
知っていることが、3つある。
あなたが私の視線に本当は気づいていること。
あなたがそれにわざと気づかないふりをしていること。
こんな煮え切らない関係にそろそろ私が痺れを切らすと、あなたがしっかり計算していること。


つ:追悼します(白石)
今こうしてこの人の彼女でいれるのは、沢山の女の子たちの失恋の上に成り立ってる幸福。
白石を諦めるなんて幾多の女子がやっていることなのに、私にはできなかった。
誰かの幸福は、誰かの不幸で出来ている。


て:天敵は、排除(幸村)
今回のテストも補習だって。
本当ビックリするくらい馬鹿。
神様が猿にするか人間にするか悩んだ挙句半々にして生を授かったってレベルだね。
ああいう存在のおかげで、才能のある人間がキラリ光るんだろう。

……ね、だから辞めたほうがいいよアイツを狙うのなんて。


と:トマトが苦手(千石)
可愛い色と見た目だから試しにかじってみたら、中身はドロドロ青くさい。
おいしく完食するなんて、俺にはできなかった。


な:泣いた貴方、泣かせた私(菊丸)
悲しいのに涙が一滴も出ない。
涙が出るならあなたのために泣きたい。
「あの子浮気してるよ」なんて、自分の手を差し出そうとしている私は最低だ。
私のこの手でいいならいくらでも握ってあげられるのに。
震えるあなたの肩を見て、あの子に敵わないことを知る。


に:二段目から書いて(手塚)
真面目で優等生すぎて別世界のあなたへ、何て書き出したらいいのか分からなくて。
一行目に不自然な余白を残して書き出したラブレター。


ぬ:抜き足差し足忍び足(仁王)
愛は冷めて、別れは忍び寄る。
本当は甘え上手な女が好きで、今彼の周りにそんな女が現れたせいで私は霞んでしまったんだろうか。
終わるのなら、せめて秋のうちがいい。
あなたの誕生日が来る前に。


ね:寝たいの、もう(切原)
「もう夜中の3時だよ」
「んー、じゃあもう寝る?」
「…うん、おやすみ」
「おやすみ」
「…………」
「…………」
「ねえ赤也から切ってよ」
「なんだよそっちから切れよ」


の:ノートにラクガキ(柳)
授業などまともに聞いていなかったお前のことを思い出す。
学生である限り勉強はこれから何年もついて回るから、別れた今でもそれだけが少し気がかりで。


は:ハイチュウ(丸井)
すぐに溶けてなくなるからそんなに好きじゃなかった。
でも飽きたら捨てられるガムのほうがよっぽど残酷。


ひ:ヒーローを信じる(跡部)
きっとヒーローは、カッコつけすぎくらいが丁度いい。
今日も恥ずかしいくらいの台詞で夢中にさせて。


ふ:笛(宍戸)
…そんなのずるいって。
女子の浴衣姿なんて初めて見るから。
反則のホイッスルがキーンと頭に響いた。


へ:平和が一番いい(立海)
「いーーやCなんて絶対ないっスよ」
「でも最近デカくなった気ぃせん?」
「それ俺も思った。でもデカくなったとしてもせめてBだろぃ。あいつほんとまな板だもん。まな板にレーズン乗ってる程度」
「ちょっ丸井先輩言いすぎっス」
「んじゃ盛ってB程度じゃな」

部室の中から聞こえる会話。メンツはおおよそっていうか間違いなく想像つく。
「…マネージャー、相当言われてるみたいだけど。外周何週させたい?」
「死ぬまで走らせて」
立海テニス部は今日も平和です。


ほ:本物思考(幸村)
可愛いワンピースを見つけて試着したら、ふいにあなたを思い出した。
これはたぶん、本物の恋だと思う。


ま:真心を込めて(仁王)
さあ来た名台詞。
「お前さんのことだけ見とるよ」
「かわええよ」
「好きじゃよ」
疎ましいような安堵するような、甘い樹液みたいな毎日。
絶対好きにはならない。あなたがそんな嘘をつく限りは。


み:蜜柑は冬に限る(宍戸)
いつまでも天使と思うなよ。
私の気が変わらないうちに、早く好きだって言わないと。
ねえ旬が過ぎたら、もう食べてあげないよ。


む:昔話をしよう(不二)
人は分かり合えない。
だからこそ、ごくたまにいる理解してくれる人間を忘れられないんだろう。
どうして言えなかったのかな。
実は君が好きだって。


め:眼を離すな(日吉)
あなたがそう言った理由をあれこれ期待して妄想してしまって。
そんな数十秒のあいだに、私はまたあなたを少し好きになる。


も:もう、我慢できない(幸村)
俺の家来る?
…ただし性的な意味で。


や:約束して(仁王)
「ずっと一緒って約束して?」
俺以外にも言っとるなんてそんなこと知りたくなかった。
それでも俺は、お前さんのそんな弱さも面倒くささも汲んで。


ゆ:夢物語でもいいじゃない(越前)
うわっ、夢か。
……どうせ夢なら、せめて最後までシたかったな。


よ:よさこいソーラン祭り(日吉)
中2、夏、お祭りの誘い。
これってきっとそういうことなのかな。
…いや、そうじゃなきゃ困る。


ら:ライト兄弟(不二兄弟)
彼らはね、お父さんからもらったおもちゃのヘリコプターを飛ばしたくって、10年かけて本当に空飛ぶ飛行機つくったんだって。
幼い頃から二人で図書館や博物館に通って、大学へも行かず熱心に研究を続けて夢を叶えたんだ。
ね、兄弟ってすごいんだよ。


り:リングにあがれ(立海)
思うように結果を出せなくて苛立ったこともある。
あの日の敗北は今も俺達のこと縛りつけて、乗り越えて今日ここに立つ。
さあ見返す時。


る:ルールなんて無用(丸井)
浮気とか、細かいこと気にすんなよ。
好きか嫌いかはどっちだ?


れ:レールを敷くな(切原)
何だよただ見てるだけだっつーの。
お前じゃなくても別にいいんだって。
はあ?好きじゃねーよ決めつけんなって。


ろ:ロンドンに旅立つ(跡部)
帰ってくる頃にはさあ、また二人の思い出が増えてると思うとワクワクするね。
二人で美味しいものを食べて綺麗なものを見て、七泊のあいだにもっともっと好きになる気がする。
そう思っていたのに、この旅行はあなたからの最後のプレゼントだった。


わ:私とあなた
近くて遠いのは、背中合わせだから。
そんな私とあなたの関係。
もっと自分を愛せるように、まずはあなたに愛してほしい。
あなたから先に振り向いて。


ん:ん?(丸井)
「なー。付き合う?」
「は?意味わかんない」
「いや俺モテるしお前じゃなくてもいっぱいいんの。もっと有難さを知れ」
「何勘違いしてんの?」
「でもお前ずっと俺のこと見てるじゃん」

…なんだ、気づいてたのか。


お題 エソラゴト様 よりお借りしました。

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