てか次は負けねえから。
『全部飲み込んでしまいたい』
俺は結構ゲーマーで。
だから、2Pwin!なんて表示されたこの瞬間がかなり屈辱だったりする。
てか有り得ねえだろ、適当にボタン押しまくってるだけの癖して。
名前が私もやってみたいなんて言うから適当に基本操作とか教えてやっただけのつもりだったのに、俺に勝つとかさあ。
お前まじで格ゲー初心者?ポテンシャル高すぎ。
「赤也、ごめんって」
目に見えて不機嫌になると、申し訳なさそうに謝る名前。
俺の幼馴染ってか彼女で、引っ込み思案で大人しい性格の癖に格ゲー強いとか要らねえギャップ持ち合わせた奴。
「まじ、お前ぜってー変」
あーあ、俺のちんけなプライドとか。さよなら。
テニスとゲームだけは誰にも負けたくないのに。
画面もそのままにベッドにドサッとうつ伏せになる。
…初心者だからって必殺技抑え目にしてたのがよくなかった。最初からもっとガンガンに飛ばしてけばよかったんだよ。
次はラスボスキャラ使ってやる。
「ね、赤也あー…」
ギシっとベッドのスプリングが軋んで、うつ伏せになりながらも名前がベッドに上ってきたんだと分かって。
顔上げたら、正座崩して座るそのスカートの中が丸見えだった。…白か。
ね、ごめんねなんて甘えた声で謝るのも手伝って、なんかムラムラしてくる。
さっきまで苛々してたのに俺ってやっぱり単純。
「…きゃっ」
「じゃあエッチさせて」
そのほっそい手首掴んで、くるっと態勢変えて押し倒した。
「ん…っ、は」
下着たくし上げて、手で直に乳首に触れる。
指先で転がしたり、ぐりぐり刺激したり、胸全体を包む手のひらで擦ったり。
なんでそうなるのっ、なんて最初は顔赤くして抵抗してたくせに、今は俺の下で下着姿になって声押し殺してる名前。
「…っ」
「何、声我慢してんの?かーわいー」
軽く煽れば、涙目で違うもんなんて。ツボ分かってるよなあまじで。
ホント、さっきまで苛々してたのに。
そこを爪で引っ掻くように刺激してからチュっと口づけて、いよいよパンツも脱がした。
生まれたまんまの姿になった名前は訳わかんないくらい恥ずかしがって、俺と目合わそうとしない。
「…え、これまじ、名前」
「…っ、」
だけどそこに指押し当てたら思わず動きが止まるくらい濡れてる。
ニュルリと俺の指が滑って、名前が唇を噛んだ。
せっかちな俺は早々に奥まで指入れて、下唇に吸い付いた。
ふいに少しだけ血の味がして、そんなに俺に声聞かれんの恥ずかしいのかよ。
「…、はあっ、あっ」
「ねえ名前、可愛い。まじで」
大人しそうな顔してるくせに、ここすごいんだけど。
入口の少し上の突起を刺激したらやっと漏れた掠れ声。
ヒクヒクしてるのが指で感じられて、もっと強く擦った。
「すげービクビクしてる」
「いっ、ゃ…っ!」
「ごめん我慢できない」
前戯もそこそこに、俺はズボンとパンツずり下げてゴムをつける。いつかこんなのつけないでエッチできる関係になれたらいいのに、なんて。
正常位でぐぐっと押し上げるように入ると、名前の身体が強張った。
「あっ…あ、…っ」
小刻みなその息遣いが、近所の5時の鐘にかき消されそうになる。そんな吐息すらも、全部残さず俺が飲み込んでしまいたい。
もう少し待てば陽も暮れるのに、こんな時間からカーテン開け放ってこんなことしてる俺らって。
「名前、いいよ。力抜いて」
「んんっ、…赤也ぁ」
「はあっ、横向くなって。キスさせて」
「あっ、ん…」
恥ずかしがる名前に無理矢理深いキスして、全部吸い込む。
ゆるゆる律動するだけで、そこはギュウギュウに締め付けてきて。
人間衝動的に動いたら駄目だなんて言うけど、衝動がなかったらエッチなんて絶対に始まらないと思う。
もしかしたら後数分で姉ちゃん帰ってきてめっちゃ焦って後悔するのかもなんて、どうでもいい。
相変わらずそこはでたらめに濡れてて、ピストン運動が激しくなる。
「あ、ああっ…ん、」
「くっ…締めすぎっ」
何度ヤってもこの時の締め付けが殺人的に気持ちよくて、俺名前以外で勃たなくなるんじゃねえかななんて結構本気で思う。それはそれでいいけど。
俺が名前の最初で最後の男になれたらなあ。
全部、全部俺にくれない?俺の何もかも差し出すから。
アホみたいに腰打ち付けて頭真っ白になりかける直前、頭の片隅でそんなこと思った。