#ac2_total# 小説2 | ナノ

 

大好きだから、意地悪も許して。



『こんな俺を好きな君』



思わず息を呑んだ。声を堪えるためだ。
名前の舌が俺の裏筋を這ったら腰が浮きそうになって、やらせといて思わず焦った。



なんだかんだで名前を俺の部屋に呼ぶのは初めてで。
部屋に上げたら物珍しそうにキョロキョロする様が少し可笑しかった。
別に普通の部屋だと思う。それなりに片づけられてるように見えるかもしれないけど、見られたら困る物だってちゃんと持ってる。

そういうことに興味がないわけないだろ。
やっぱり俺にはテニスが一番だけど、名前と付き合ってから青い煩悩に支配されがちな頭の中。

今まで何回か名前の部屋でセックスしたことがあるけど、やっぱり処女だから優しくしてやりたいとか本当に俺らしくなくて。
なるべく痛くないようにとか、ひたすら優しく抱いた。
べつにそんなセックスが不満とかじゃなくて名前のことは本当に好きだし、だけど、ほら。
あるだろ誰にでも。セックスの時こうしたいとかさあ、そんな性癖みたいなもの。

俺はどうやら真性のサドみたいで、泣きながら俺を求めてよがったり欲しがったりする名前が見たくて仕方ないんだよね。舐めるより、こうやって無理矢理舐めさせる方が興奮するんだよ。
仁王にそんなこと言ったら何とも緩い独特の方言で、ケラケラ笑われた。
俺以外にも、こういう男結構いると思うんだけどなあ。




「せ……いち」
「ん、いいよ。続けて」

ふいに名前が顔上げてきたから、少し強引に頭抑えて奥まで突っ込んだ。えづいて涙目で見上げてくる。
ああ、ベタだけどいいなこれ。

あくまでも俺が服従させてるこのかんじ。
実は名前から与えられる刺激に、されるがままになりたいくらい気持ちいいんだけど。

自分の右手とも、ゴム越しの中とも違うこの感覚。
癖になったら困るなあなんて思いながら、舌先からゆるゆる与えられる快感に目をつぶった。
だけど最後にヤったの一ヶ月くらい前だったし、少し刺激を与えられただけで腰の疼きが我慢できなくなってくる。


「んんっっ…!」

ついに痺れ切らした俺が、名前の頭抑えて腰振ったら喉の奥で声出してて、はは。可愛いかも。
歯立てないで、なんて少し吐息交じりに耳元で言ったら素直に応えるんだからさ。
結局は利害が一致してると思わない?こういうの、好きだろ。

初めて口でされた俺はその何とも言えない感覚に我慢できなくて、低い声と共に名前の口へ勢いよく吐き出した。


「……んっ」

ボーっとしながら射精後の呼吸の乱れを整えてたら、精液を口に含んだまま困ったように名前が見てくる。


「全部飲んで」

そう言って顎を無理矢理上に向かせると喉が生々しく動いて、まずいんだろうなあなんて思うけど。
でも苦しそうに飲み込むその様が無償に愛しくて、同時に俺だけのものなんて実感するから嬉しい。
ああ、俺が女だったら絶対俺なんかと付き合いたくない。お前はただの面食いだよ。


「…苦い」

そんなこと言って青汁でも飲んだみたいな顔で見てくるから、失礼だよなあ。
なんだかんだ突っ込まれたら気持ちよさそうに喘ぐくせにさ。

もうほぼ半裸の名前を抱き寄せて、パンツの上からグリグリ刺激する。

「あっ、あっ、精市っ」
「俺の咥えるだけでこんなに濡らすの?」
「やっ…、意地悪言わないで…っ」
「だって名前、意地悪な方が好きだろ。ほらまた溢れてきた」

パンツの横から指しのばせたら、そこは有り得ないくらいねっとり濡れてて。耳元で責めれば責めるほど溢れてくる。

指一本で中を捏ねくると身体からがくんと力が抜けて、すっかり俺に身を預ける名前。
そんな名前見てたら俺のもまた勃ってきて、ああ若いっていいな。

「んん…あっ、あああっ、やだ…」
「これだけよがりながら何が嫌なの?」
「も…欲しいよお…っ」

……この前まで処女だったくせに、もうこうやって煽るようになったのかよ。

涙ながらに抱き着かれて、欲しいとか。冷静でいる方法があるなら手とり足とり伝授してほしい。
もう一本指入れて、その奥の奥の感触を堪能するみたいに動かす。


「そんな目して、何期待してるわけ」
「あっ、ああ、んっ」
「してやってもいいけどね」

結局俺って甘いのかも。もっともっと苛めたいのにさあ、甘い声で誘われたら腰の疼きなんて我慢できるはずない。

名前をそのまま寝かせてパンツ脱がして、場所を確認してから一気に突っ込んだ。

「ああああっ……っ」
「ほら、どうして欲しいのか言ってみて」
「やぁっ…ん、奥まで、して」
「ちゃんとお願いして」
「はあっ、ん、奥まで…いっぱいしてください…っ」

グチャグチャに濡らしながら途端に浅い収縮を繰り返してるから、もうイきそうなんだと思う。
もう既に一度イってる俺は、気にせず激しくピストンしながらそんな名前を見下ろす。

快感に支配されかけながら目の前の光景を見て、改めて絶景だと思った。
組み敷かれて乱れながら俺を求める名前は、誰が何と言おうと世界で一番可愛い。馬鹿って言われたっていい。
だってセックスは人を快感の淵に追い込んで、とことん馬鹿にすると思う。


「やっ、待って、ほんとイっちゃう…っ。精市っ…好き」

名前が俺の腕掴んで限界訴えてくるけど、こっちだってもう頭真っ白なんだ。待てるわけないだろ。だってこれから確実にもっと気持ちよくなれるんだから。
ホント、俺のこういうとこも好きとかさあ。馬鹿だよなあ。

腕掴んでくる手を振り払って、手のひらを重ねる。指と指絡めて、なんかすごい恋人っぽい。
その手にグッと力込めて腰振ったら、無理矢理押し込めた俺の性器に合わせて名前の性器がうねる。

繰り返したらさっきより深い収縮がきて、名前の脚がビクビクしてて。
あまりの締め付けに、お腹のあたりに広がる甘い痺れ。

思わず中で出しそうになったのを慌てて堪えて、「可愛いよ、好きだよ」なんて安っぽい言葉をできるだけ甘く吐いた。

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