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「はい、これが業者の偽装書類です。」

少女は手渡された書類をぱらぱらとめくる。羅列された文字を目で追うけれども理解出来ていないようですぐに目線を目の前の八重歯の青年に移した。

「ありがとうね。」
「どういたしまして。」

にこりと笑った青年を確認すると少女は赤い髪の毛を揺らし立ち上がって部屋をあとにしようと、青年に背を向けた。

「どうして一人別行動なんですか?他の組員も潜入するんでしょう?」

舐めていた飴を噛み砕き、不意に青年が話しかけた。

「あたしじゃ、真昼さんたちの足引っ張るだけだからね。現場で合流出来たらできる限りのサポートはしようと思ってるけど。」

少女は振り返ることなく青年の言葉に返事をする。

「俺にはそれが一番の理由だと思いませんが?」

少しの間静寂があたりを包む。暗い部屋は一層静寂さを際立てていた。お互いに表情は見えない。

「あたしがここに入った理由は貿易関係でトメニアのこと知れると思ったから。こんなチャンスなかなかないんだ。密輸便から荷物もさらうけど、あたしにはその理由もある。なら一人で行動するほうがいいでしょ?捕まったらトメニア人として捕まるから、組には迷惑かけないよ。」

静寂を切り開き、独り言のように言葉を並べる。青年は表情を変えず、ただ少女の小さい背中を見つめていた。

「じゃあね、助かったわ。」
「あ、帰る前にこれどうぞ。トメニアで作られた飴だそうなんで。」

青年が投げた袋を少女は受け取る。綺麗な飴玉が入っていた。

「餞別として、どうぞ?」

にやりと笑った青年に少女も笑い返した。




(飴のお礼についでにトメニア製の品、何かぬすんできてくださいよ。)
(現金だなあ。)

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一次創作初作品。もっとキャラを深めて行けたらなあ。




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