今は部活の休憩中。
友達のジュリに誘われてマネージャーになった名前は、ドリンクを配り終え、やっと一息ついたところだ。
そんな彼女を見かけた赤羽は、彼女に近づいて、……後ろから抱きついた。
「え、ちょ、赤羽!?」
「フー。どうしたんだい?ため息なんかついて」
「んー…。ちょっと疲れた、かな?」
彼女はいつも家に帰ってから、敵チームのデータ分析をしている。それも、睡眠時間まで削って、だ。
それは全部、クリスマスボウルを目指している赤羽達のため。
そして、彼女は真面目だ。もちろん、授業をサボるということなどはしない。
授業が終われば、すぐ部活が始まる。
休む時間が、ないのだ。
赤羽は、そんなことはしなくていいと言っているのだが、彼女は、力になりたいから、の一点張りだ。
「名前がそんなに頑張る必要はない」
「やりたいからやってるんだからいいの!少しでも力になれたら嬉しいし。」
「……名前」
「ん?」
「好きだ」
「…っ!!ちょ、耳元でそういうこと言わないでってばーっ!!!」
彼女の顔が一気に赤くなる。
このような言葉は、たとえ何度言われても慣れないようだ。
「…あの、ね」
「何だい?」
それにね、と言い、言葉を続ける彼女
「あ、赤羽はさ、いつも私に…その、好きとか言ってくれるけどさ、」
言うのが恥ずかしいのか、いつもの彼女からは考えられないくらいもごもごと話し出す。
心なしか、「好き」と言ったときは声が小さくなったような気がするのは、赤羽の気のせいだろうか?
「えっと、それなのに私、その、気持ちなかなか気持ち伝えられないし、いつもいろいろもらってばっかで返せないし…。だから、こんなことでしか、赤羽に気持ち、返せないし…」
こんなこと、というのは、敵チームのデータ分析のことだろう。
彼女は今まで、そのような想いで、赤羽の力になろうとしていたのだ。
「フー…、それなら尚更、名前が無理をする必要はないな。」
「え?」
「僕は、君がそばにいてくれるだけでいい。」
「…っ!」
真っ直ぐ見つめる彼の瞳に、彼女の顔はまた、赤みを増す。
そう言って少し微笑む彼に、彼女は胸の高鳴りを抑えることは出来なくて。
「(──あぁ、私やっぱり、赤羽のこと、大好きなんだな)」
なんて。
そんな分かりきったことを、考えてしまう。
「…私も、だよっ!!」
今の彼女には、そう言うのが精一杯で。
でも彼は、そんな彼女を見て、また微笑む。
「だからずっと、僕の隣で笑っていてくれ。」
君の笑顔が僕の幸せ
(君が笑うから僕も笑えるんだ)
10.06.27
………………
つまりバカップル。
結構前に書いたのを発掘したのでup
甘めを目指してみましたが、撃沈(^q^)
そして、赤羽の口調が分からないという…
胸がキュンってなるような素敵なお話が書きたいなぁ…
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