6月6日 日曜日


今日も部活だった俺は、いつも通り学校へ向かう。
いつもだったら、面倒くさいとしか思わないこの日も、今回はすごく特別に感じる。

それはきっと、お前に出逢ったから。





「筧君!!お誕生日おめでとう!
これ、手作りなんだけど…。良かったら食べてね!!」
「…わりぃ、受け取れない。」


これで何回目になるだろう
朝から何回も繰り返されてるこのやり取り。

相手の反応は様々だが。
泣いたり、逆ギレされたり、しつこく迫ってきたり。

去年までだったら、嫌で嫌で仕方のなかったこの日。



そう、今日は俺の誕生日だ。




それなのに、なんで俺はこんなにも機嫌が悪いのか。
それはきっと、一番祝ってほしいやつに今日は一度も会ってないからだ。


部活の仲間にはお誕生会を開いてもらった。
それはすごく嬉しいことだが、肝心のアイツの姿がないんだ。

いつもなら水町とバカ騒ぎしてる、愛しいアイツの姿が。




部活も終わり、とうとう帰る時間になった。
相変わらず、アイツの姿は見てない。

「(なんなんだよ…。いつも居なくてもいい時には決まって居るくせに。)」




家族にも祝ってもらい、誕生日も残りあと僅か。

今日は良い日になる予定だったんだけど、とんだ思い違いだったな。



只今の時刻、23時59分。

「(…もう寝るか。)」

そう思った矢先、震える携帯。
ディスプレイには、待ち焦がれたアイツの名前。


「…もしもし。」

震える声で電話にでる。
するとアイツは、いつもと変わらない声で…

「誕生日おめでとう!これからもよろしく!!」

そう言ったんだ。

「…忘れてたんじゃなかったんだな」
「忘れるわけないでしょ?筧の誕生日を。」
「じゃあなんでこんなギリギリに…!」


忘れられてなくて良かった。
そう思う反面、怒りもこみ上げてくる。
お前に、一番に祝ってほしかったのに。



「だってこっちの方が印象的でしょ?
それに…、」
「…それに、何だよ?」


「今日1日中、私のことが気になって仕方なかったでしょ?」


そう言って、電話越しに笑うお前
きっとその笑顔は、すごく綺麗なんだろうな、だなんて。

「まったく…。お前にはかなわないな」


さっきまで不機嫌だった俺を、たった一言で有頂天にしてしまうなんて。
きっと、今にも後にも、お前だけなんだろうな。





明日会ったら、プレゼントでも催促してみるか



午後11時59分
(こんなことしなくたって、)
(俺はいつでもお前のこと考えてるのにな)






10.06.06
………………

ギリギリ間に合った!!
ホントギリギリだけど…!!!!


…お久しぶりです。
覚えてますかね…??(^^;)
もうリアルがホントに忙しくて…!!!!

久しぶりすぎて書き方忘れてしまいましたよ。
筧の口調もめちゃくちゃです…(-"-;)
あとで時間があったら修正します!!!!



筧の誕生日だけはどうしても祝いたかったので…。
愛と気力で頑張った。誉めてほしい。


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