雪が溶けてグチャグチャになった校庭。
そのため、部活は軽いミーティングだけで終わりになった。
(アメフトにグラウンドの状況なんて関係ないかもしれないが、怪我をされると困るから、って)



「わー。雪まだ溶けてないね」
「まぁ、あんま天気良くなかったからな」

そして帰り道。
まだ溶けてない雪が目立つ。

「んー。もうちょいサラサラな雪だったらなー。そしたら遊べたのに!」

固まってしまい、カチカチの雪。とけてグチャグチャの雪。
…さすがの私でも、これで遊ぶ気にはなれない。…けど、

「せっかく降ったんだし遊びたいよねー。」
「お前なぁ…。」

呆れたようにため息をつかれた。
あぁ、そんなお姿も麗しいです…!

「よし、雪合戦やろうよ!」
「バカッ!!!こんな雪でやったらビチャビャになるだろ!」
固まった雪も当たると痛いし、とかなんとか続ける筧君。
…そんなに怒らなくてもいいじゃん。

「半分冗談だったのに…。」
「半分本気だったのかよ」

またまた呆れられた。
私今日筧君の呆れ顔しか見てないよ!

「…でもさー、」
「なんだよ」
「こんな雪でもさ、来年も見れるといいね」
「ん?…あぁ」

筧君は訳が分からないって顔をしている。それでもちゃんと返事をしてくれるところが優しい。もう大好きだ。本当に。

だから、

「来年も一緒に見ようね。その次の年も、そのまた次の年も、ずっと、ずっと!」

そこでやっと理解出来た、みたいな顔をする筧君。
そして、

「それはつまり…」

つまりずっと一緒にいようってことか?


そうだよ、って笑ったら、
照れた顔をした筧君から、優しいキスが降ってきた。







10.02.03
………………
最後のキスは照れ隠し。
ずっとずっと、貴方に隣にいてほしい。


- ナノ -