〜守りたいもの〜「僕にも、誰かを守れる力があるのかな」
無意識に呟いた言葉が、彼に届いているなんて、僕は思いもしなかった。
ある日の昼下がり、読み終えた本のテーマが、“守る”と言う物だった。
そこで無意識に呟いた言葉が、そんな言葉。
その時不意に、背後から抱き付いて来たNに、僕は思わず身を震わせた。
「君にも、あるんじゃないかな。守れる力」
「……でも、僕だけじゃ守れるものは限られる。
人間なんて、非力な生き物だよ」
「そうだね。……ねぇ、チェレン。
君は、何を守りたい?」
Nの問いに、僕は少しの間考え込む。
守りたいもの? そんなの、決まってる。
「家族は勿論、友達や、ポケモン、
今まで出会った人達との絆。それと…。………N」
君も、僕が守りたい存在の一人だから。
でも、そんな沢山のものを、一度に守る事なんて出来ない事は知ってる。
「そうか。ボクも、君の中にちゃんといるんだね。
……でも、君だけで守られるものは、限られていると思うよ」
「うん、分かってる」
まるで僕の心を読み取ったかの様に、Nは言った。
そして僕はその言葉に、素直に頷く。
「だったら、ボクも守るよ。
君も、君が守れないものも。
皆、守って見せるから」
「……ありがとう」
人間一人の力なんて、あまりにも小さくて。
人間なんて、非力過ぎて。
僕達は、ポケモンに守られてばかりで。
僕達人間には、力なんてない。
けれど、そんな人を守ろうとする人がいる。
僕が守れないものを、守ろうとしてくれる人がいるから、
僕はこうして、生きていられるのかもしれない。
「僕も、守るから。君の事。だから、傍にいさせて。
傍で、君の力になりたいから」
「……うん」
守る事は、難しい事だと思う。
それでも、彼が言うと。
きっと大丈夫だと、思えるんだ。
守りたいもの。
誰にだって、ある筈だ。
例え小さい力でも、小さい存在だとしても。
消えていいものなんて、この世界に存在しないんだ。
完
オマケ
「チェレン」
抱き寄せられて、僕はすっぽりとNの胸の中へおさまった。
「何、どうしたの」
「チェレン、ボクは、君が好き」
何度も聞いた言葉だけど、僕は嫌な気はしないんだ。
君だけに言わせたら、あれだよね。
「
僕も、君が好きだよ」
「そう、嬉しいな。……チェレン、愛してる」
「うん、分かってる」
何を今更。僕だって、君の事を愛してる。
人を愛した事なんて、僕はこれが初めてかもしれない。
だから僕は、僕を愛してくれる人に、伝えるだけ。
君を、愛してる。
「ねぇ、チェレン。この間の続き、しようか」
首に落とされるキスに、小さな痛みを感じて。
そして、僕の身体は、純白のシーツに包まれた。
完
乱れ桜の燐静 翠玉様から相互記念としていただきました…!!///////
え、Nチェレたまらん////^q^* かなり動悸があらぶっております!hshs←
本編の方ではNチェレを満喫でき、かつ人の温もりや大切さを感じられて大感動です///
お互いを信用し、守り合うとか//
オマケの方はもうとにかく鼻血がとまらなかっt(ry すいませんw
翠玉様大好きですぅぅうう!!//これからも応援しています!
本当にありがとうございました(*´▽`)Merci…!
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