7人7色の恋 by Mike and Betty
7.これからもよろしく

「はい、トーヌ!」

 そう言ってびしっと目の前に箱を突きつけられた。

「何これ?」
「何ってプレゼントよ? 今日はね、日ごろの感謝を示す日なの」
「それって勤労感謝の日じゃなくて?」
「違うの! とにかく貰いなさい!」
「はあ……」

 そんな風にいわれたら、貰うしかない。
 果たして今日はそんな特別な日だったっけ、と思い返す。
 そこでふっと引っかかる。

「ああ、バレンタインか」

 カサカサと包み紙を破らないようにとって、箱を開ける。
 中には手作りと伺える1口サイズのチョコレートが並んでいた。
 ディウにしては頑張ったなあと思う。
 1つ食べてみると、口の中で甘さと少しの苦さがじわじわと広がる。
 そしてあっという間に全て平らげてしまった。

 後日―
「トーヌ!」
 ディウが近寄ってくる。顔が赤いように見えるのは気のせいだろうか?
「チョコレートありがとう。美味しかったよ」
「……それだけ?」
「え? うん、何かあった?」
「……か、カード、とか……」

 はて、そんなもの箱の中にあっただろうか。

「見なかったけど……もしかして何か書いてあった?」
「あー……うん、これからもよろしくね、って」
「そっか。……うん、これからもよろしく」

 もう捨てられてしまったチョコレートの箱の中には、1枚のカードが入っていた。
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