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(現パロ)


空が晴れていたから笑った。なにをニヤニヤしているんだ、なんて聞かれた。俺は笑った。

ランドセルを背負っていた俺は学ランに袖を通す様になったし、小さかった俺の背もグンと伸びた。(それでも可愛げはないね、なんてよく言われるんだ)(可愛げくらい、あったと思うんだけどな)


学校の裏に野良猫がたくさん居たんだ。ニャアニャアと鳴いている猫に、はっちゃんがエサをやっちゃうモンだからさ。ニャアニャアと猫が近寄ってくるようになって、ああもうしょうがないなぁなんて言って一緒にエサをやるようになったり。


「彼女が出来た」ふぅん、おめでとう、良かったな。「フられた」そうか、それは残念だったな。そんなモンだよ、高校生の恋愛なんてさ。慰めになってねー、なんて笑われた。


(ラーメン食べに行こう、夏は海に行こう、図書館へ行って勉強しよう、うるさくし過ぎて怒られたり、山登ろう、なにいってんの、バカじゃないの、結局登ったり、ああ明日数学のテストがあるなぁ、消しゴム忘れちゃった、貸しておくれよ、一緒に帰ろう、寄り道しよう、)


明日はどうしよう?大人になったらどうしよう?毎日がくだらない事で溢れかえっている、くだらねー、なんて笑い合う仲間がいるだけでどれだけ下らなくても面白くなったりしてさ。ああねぇ俺たちはまだ子供だね、大人になったらどうしてるんだろう、タバコとか吸っちゃったりするのかな、ワルだね、あ、そういえばサブローからタバコの臭いがした。あいつワルだなぁ、お酒とか飲んだりするのだろうか。大学生になっても友だちでいよう、兵助は女々しいなぁ、勘ちゃんが笑いながらバシバシと背中を叩く。え、なに、三郎と雷蔵は同じ大学に行くの、サブローったら雷蔵にどれだけ付きまとうのさ、ほっとけ、

ニャアニャア猫が鳴いていて、空が晴れていた。彼女ほしーなぁなんて、何度目かわからない台詞を聞きながら俺たちは笑った。


明日はどんな日になるんだろう?