(エロ注意)





タバコを摘む
サングラスを外す
蝶ネクタイを緩める

そして、俺に触れる
彼の指先がすき

拳を使い力任せな暴力を振るうくせに、綺麗な指
目立った傷もなくスラッと伸びた長いその指を見ていると、つい触れて、舐め回して、噛み付きたくなる。
ああ、これじゃあ変態、と罵られても仕方ないか。


「ん、ふ…は…、…」

「…オイ、ド変態。いつまでそうやってるつもりだよ。」

ド変態は予想外だ、ついでに言えば心外だ。
狭苦しいベッドに腰掛け、そんな酷い台詞を仮にも恋人と言う間柄である人間に向ける彼の腕を取り
指をくわえ舐め回す俺はもっと酷いのだろうけど。

わざと水音を立てながらその指を舐め回せば目の前の顔が歪められた。
そんな反応や言葉に口元緩め、ちゅう、と吸い上げれば咥内の指先がピクリと跳ねる。
敏感だなぁ、と悠長に思っていた矢先、その指先に上顎を緩く撫でられた。

「ンン、っ…しず、ちゃん…?」

ゾクゾクと背筋を走る甘い刺激に上擦った声が上がる。
瞼を上げて目の前の人物を見上げれば目に入ったのは欲に浮かされた瞳。

「や、だって…こう言うことしたいんじゃ、ぁ…う、」

こちらまでつられて欲情してしまいそうな熱孕んだ視線に、慌てて咥内から指を抜こうとするが
舌や上顎、歯列と探るようにあちこちをなぞる指先の動きに再び甘えるような声が零れる。

「こう言うことって、どう言うことだよ。なあ、臨也。」

すっかり欲情しきった声。そんな声に、こちらまで当てられてしまったようだ。
そんなこちらの熱を伝えるかのように、咥内に含んだままの指を甘くかじった。

「こう言うこと、だよ、シズちゃん。」

咥内から指を抜き取りそう告げると、身体を伸ばし唇を触れ合わせる。
啄むようにして柔らかなそこを食んでいれば温かな舌が先ほどまで指をくわえていた場所へと滑り込んできた。

「ん、は…ぁ…シズちゃ、…」

吐息混じりに名前を呼べば腰に腕が回り、ぐいと抱き寄せられる。
密着した身体越しに感じる鼓動はどちらのものか、最早分からない。むしろ同じくらいの速さで脈打っているのかもしれない。

そんな中、腰に回されているのとは逆の腕がカチャカチャと音を立てベルトを緩めていく。
チラリと視線を落とせば案外器用に動く指。
ああ、彼もこんな行為に慣れてしまったのか。初めの頃の初々しさやぎこちなさが懐かしい。
そんな余計な思考を根こそぎ奪うかのように、ベルトを外していた手が早々に下着の中へと突っ込まれる。

「ハハ、余裕…ないね。」

ちゅ、と音立て唇を離し、小馬鹿にしたように笑ってみせれば深く刻まれる眉間の皺。

「ウッセェ、そんなのてめえもだろうが。」

負け惜しみにしか聞こえない台詞はまさにその通りで、その言葉に答える代わりにその手に下腹部を擦り付けるように腰を押し付ける。
それだけでも膨らみかけてしまっている熱に絡む長い指、やんわりと更にこちらの熱を煽ってくるその動きに自然と腰が揺れ動いてしまう。

「で、余裕ないのはどっちだって?」

先端から溢れてくる先走りをヌルヌルと指先で塗り込めるように動かされれば、開いた唇から零れるのは甘えるような声。

「ぁ、っあ…、ッ…それ、やぁ…!」

必死に目の前の彼にしがみつき首を横に振ってみせてもその動きを止めてもらえるはずもなく、その弱い先端ばかりを責めるように指先が動く。

「し、…ちゃ…っだめ、もっ…イ、っく…ッぁ…ぁあ、!」

短い爪が先端の窪みに浅く入れられ、その強すぎる刺激にアッサリと弾けた欲望。
穿かされたままの下着が濡れる感覚に眉をしかめ、手を突っ込んだままの人物にキツい視線を送る。

「下着、…汚れた、んだ…けど…」

整わない呼吸のまま言えば手が抜かれ軽々とベッドへ寝転がらされる。
そんな状態を理解する間もなく下着ごと全てを脱がされ、明るい部屋に下半身が晒された。

「ノーパンで帰りゃいいだろ、変態なんだからよ。」

変態はどっちだ、そう言おうと口を開いたと同時に奥へと伸びる指。
自分が吐き出したもので濡れた指先で撫でるように触られれば、期待からかそこはヒクリと震えた。

「最低、だね…っシズちゃんの、ぁっ…、…ッ」

「最低だぁ?てめぇまだンなこと言う余裕あんのかよ。少しは黙ってろ。」

誤魔化すように言葉を並べるがそれを遮って徐々に中へと侵入してくる指に再び熱を煽られる。
白濁のせいかすんなりと付け根まで挿入された長い指を内部はヒクヒクと物欲しそうに締め付けてしまう。自分の浅ましさに欲のせいだけでなく、羞恥に顔が火照る。

「シズちゃん、…やだ、ってば…、っ」

くちくち、と淫らな音を立てながら出入りする指に嫌だ嫌だと言いつつも段々と脳内はその行為一色に染まっていく。
一本、また一本と増やされていく指。
奥や悦いところを的確に擦り、突いてくるその指先に最早考える余裕さえ根こそぎ持っていかれてしまいそうだ。

「ひ、ぁ…あッ、そこ…ぃ、っいい、ンぁ…っ」

素直に告げれば気持ち良いところばかりを狙い指を動かされ、脳内を埋め尽くすのは快感と目の前の相手のことのみになる。
自らも腰を振り中を締め付けていると唐突に抜かれてしまう指。

「あ、ぅ…っ、…シズちゃ、ん…?」

「もう限界、挿れるぞ。」

先ほどこちらのベルトを外したように外されていくバックル。
己のものと同じ、いやそれ以上くらいに膨らんでいる欲望に思わずゴクリと喉が鳴る。

「シズ、ちゃん…しずちゃ、」

腰に手が添えられ、入り口にあてがわれた熱に上擦ったような声で名前を呼べば、中を擦り上げるように挿入されていく欲望。

「ひ、っ…、…ッ、!」

指とは違うその感覚にくしゃりと乱れてしまっているシーツに爪を立て、震えてしまいそうになる身体を必死に押さえつける。

「っ、とによ…てめぇのここは、何でいつもこんなに締め付けてくんだ…」

吐息混じりに呟かれる台詞にまたヒクリ、中を締め付けてしまう。
そんな様子を笑われ、シーツを必死に掴んでいた腕を取られる。
力を込めていたせいか僅かに白くなった指先、そこに這わされる赤い舌。ぬるぬるとした温かなそれにヒクリヒクリと反応してしまう内部。

「あぁ、なるほどな。そんな顔されんなら指舐めるのも楽しいわ。」

「アハ、ハ…俺の、真似…だったんだ、?」


何かと思えば可愛らしいことをするものだ。俺が舐めたりする理由は他にもあるのだけれど、まあ、可愛らしいからそれで良いか。

そんな恋人馬鹿丸出しなことを思いつつ、ゆっくりと動かされ始めた腰の動きに全ての思考を放り投げた。

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