※くっついてないスパ→←コン





「じゃーん!」
「………なにそれ」


目の前に立つ彼、スパーダくんが持っていたのは紛れもなく


「…ねこみみ」


真っ黒なねこみみがあしらわれた、カチューシャだった。


「そんなもの持っててどうするの?」
「お前に着ける」
「断固拒否させてもらうよ」
「遠慮すンなって」
「そういう問題じゃ…」


遠慮云々の問題じゃない。大体こういうものは女性が着けるべきじゃないのか。男が着けたところで可愛くもなにもないだろうに。イリアさんやアンジュさんじゃ駄目なのだろうか。それともスパーダくんは男が好きなのだろうか。だったらルカくんが一番似合うはずなのに、なぜボクなんだ。様々な想像が脳内を駆け巡る。


「黒が一番お前に似合うと思ってよ、調達してきたんだ」


まるで意味がわからない。そして同時に腹立たしくもあった。女の人が大好きで普段から色んな女性に言い寄ってるくせに、こうしてよくわからないところでボクにちょっかいを出してくる。その気もないくせにそんな言葉を寄越して、期待ばかりさせて。いつもボクだけがその言葉に心の中で一喜一憂して空回りして、ばかみたい。


「そういう問題じゃ、ないんだよ」


ばか、と小声で囁いて手近にあった読みかけの本を抱えて部屋を飛び出した。









「……………なかなかうまくいかねェなァ」

今回も失敗してしまった。
ただひたすら彼のことが好きで、話をしたいだけなのに、あまりにも自分が捻くれているものだからいつも彼のことを怒らせてしまう。きっかけが欲しくてこういった物にも頼ってしまった。まあ失敗したけれど。それとなく、それとなくでいいから意識してもらえればそれで良かった。なのにいつもそれ以上を望んで空回りしてしまうのだ。あの瞳が、コンウェイが、俺だけを見ればいいのに。



130223間に合わなかったにゃんにゃんにゃんの日
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