僕らのヒーロー | ナノ





どうしてこうなるのだろう。あたしは何かを間違ってしまったのだろうか。

ひゅ、ひゅう、と不規則な小さく消えそうな息をするイリアを見て血の気が引く。脈を確かめるために添えた手が暑い。発熱しているようだ。服を破いて傷口を見ると、知識がないなりに施したマチの縫合の甲斐もなく肉の周りは腐っていた。こんな衛生状態の中床で寝かせたままだとそうなってもおかしくない。
この様子だと、入り込んだ菌によって敗血症を起こしている。とはいえ、もとから体内の血液量が少ないせいでそこまで進行はしていない。だとしても、もう……。



「イリア……」

「姉さ、オレ、白い……スーツの、」

「喋るんじゃないって!」

「いい。止めるなマチ」

「クレア、なんで……!?」

「一撃、決めて……やった、スよ」



念の力があったとしても、もう助けてやることはできない。助ける方法が見つからない。
イリアの言葉に薄く笑って、「よく頑張ったな」と頭を撫でる。腕にしがみついて「なんとかできるんでしょ……?」と涙をためてあたしを見るマチを視界に入れないようにし、イリアの言葉に耳を傾けた。



「オレ、っ頑張、スか……?」

「よくやったよ。流石あたしの弟だ。後はあたしに全部任せて」



あたしの言葉に小さく笑みを作ったイリアが何かをつぶやく。
声ももう聞き取れないくらいになっていたけれど、それでも何を言ったのかは唇の動きで分かってしまった。
お願い、と言われてあたしが無碍に断れないのを知っているんだから、イリアは頭のいい子だ。



「マチ、向こう向いてな」

「――……わかったよ」



涙ぐんだ声が少し遠くになる。
それを確認したあたしは袖口のナイフを手にして、一思いに目の前の細首を薙いだ。
大した出血量もなく切り落とされたものに、イリアの身体が一度だけビクリと震える。それから一度たりとも動かなくなったイリアを尻目に、マチに足音を消して近付き手刀を入れた。
「ぁ、」とか細く声をあげて倒れたマチ。イリアのことを看てたせいか、少し痩せている。一度も寝ていなかったのだろう顔には、はっきりとした濃い隈ができていた。



「トゥールフ……」



殺意がより確かなものになる。軽くなったイリアとマチ抱えあげ、階段を登って奥の部屋へ。ギィギィと音をたてて軋んだ階段にやりきれなさと憎悪の念だけが胸の奥でとぐろを巻いて頭がおかしくなりそうだった。
自室のカウチにマチを寝かせ、窓から飛び降りて外へ。教会の裏にあるセンニチコウが群集する小さな花畑へと足を運び、イリアの亡骸を横たえた。



「ゆっくりお休み」



ここで初めて誰かを信用しようとした。ライデンとこの教会に住むやつらに、命を捧げようと誓った。



「お祈り、お願いします」



ゆっくりと言葉を紡ぐ。あたしに何ができるだろう。あたしはこれからどうするべきなのだろう。



「主よ、みもとに召された人びとに永遠の安らぎを与え、あなたの光の中で憩わせてください」



乾いていた頬が濡れる。胸の前で十字を切って、両指を組んだ。風は相変わらず臭気を伴った化学物質を運んできて、鼻の奥がツンと痛む。
後悔ばかりだ。何もかも。親と共に暮らしたあの日も、ここに来たことも。
何分かの祈りを終え、左手に分厚くなった本を手にし、ページを捲る。



「ヘルメス」



空気を割いて現れたのは男性。二尾の蛇が絡まる伝令の杖を持った彼は、あたしの言葉を聞くまでもなく頷いた。
イリアの亡骸を両の腕で抱く。すると一瞬のうちにその身体は灰と化した。天を仰ぐように空を見上げたヘルメスは「確かに」と一言だけ言うと、何もそこには存在しなかったように、ふっと掻き消える。
あとに残った遺骨をひとつずつ土の中へ。
一時間もすればすべての過程をやり終え、ぼう、と虚空を見つめていれば無性に虚しさと憎しみだけが残った。



(いかなくちゃ)



いつまでもこんなところで腐っていても何も解決しない。あたしが今やることは、いなくなった他のガキ達を保護して、ライデンとここへ帰って来ることだ。
もう、誰一人として欠けることなく、ここへ。



△▽△▽




あたしの眼下には、こじんまりとした小屋が一つある。
ユウトによると、小屋の下、所謂地下は迷路のようになっていて、そこがユノワーラの本拠地とも言えるそうだ。あたしが潰したあの屋敷は表向きのフェイクで、ユウトも含めニセの情報を掴まされたらしい。電話の奥で忌々しげに舌打ちをしたユウトを思い出して眉が寄る。そしてもう一つあたしの心のうちをかき乱すのは、クロロたちがそこにいるかもしれないということだ。
どうやってそこへ行き着いたのかはわからないけれど、複数人の子どもが入っていくのを見た奴がいるらしい。
流星街から近いといえば近いが、よくもまあ勝手なことをしてくれた。焦りばかりがグルグルと身体中を巡る。
そんなあたしの心境を察してか、今まで沈黙だった後ろから手が伸び、肩へポンと手を乗せられる。



「落ち着いて。失敗しちゃなにも救えないわよ」

「わかってるさ。あんたらがついてきたことは理解できないけど」

「それはお前が暴走しやすいからだろ」

「うるっさいなあ……」



何故か着いてきた二人。理由としては確かに納得のいくものだけれど、その言い草が気に食わない。悪態をつきつつ飛び降りる準備をする。



「いい、クレア。絶対に突っ走らないこと」

「ティナこそ、竜変化はなしだからな」

「わかってるわよ、ユウト。任せて頂戴」

「……ここから先は別行動。自分の身体を最優先。いいな、クレア」

「わかってる」



シートベルトを外しドアをスライドさせる。風で前髪が舞って、目が痛くなった。白龍に乗ってる時もそこから飛び降りるときも、いつもこの感覚に離れない。地に足がついていなくてとても不安定だ。
大方の距離を目測して堅を施す。



「ただな、暴れない保証はできないから」

「あ、ちょ、おま」



言い逃げ上等。
すぐさま身体を投げ出して風圧に身を任せる。
二人のシートベルトの中に、瞬間接着剤を塗っておいたのが助かった。全然来ないところを見ると、どうやら手間取っているらしい。協会から借りたものだから、壊すわけには行かないぶん大変だろう。

くるりと一度回って落下速度を落として着他する。あの二人はまだ来ない。
それならやったもん勝ちだと小屋の扉を蹴り倒し周りを見渡す。地下通路へと続く隠し部屋はすでに開かれていた。



「へー。どっからでもかかってこいと」



挑発的な態度が現れていて表情筋が引き攣る。ずいぶんと自分の腕に自信があるようじゃないか。
もはや加減などする必要が皆無。ライデンとクロロを回収したら、ロイドの居場所を聞きながら嬲り殺してやる、と意気込んで、地下通路へと足を踏み入れた。

円をして最初に気がついたのは、本当にこの空間が地下にあるのかと疑うほど広いということ。そして、あまりにも複雑に通路が組まれているということ。
どこが最深でどこに何があるのか。奥に行ってしまえば入ってきた入り口がわからなくなってしまうような……それだけ乱雑に道は敷かれていた。
戸惑っても仕方ない。ガキ共の気配は読み取れなかった。おそらくもっと奥にいるのだろう。さっさと助けなければ、ライデンもそうだけど命が危ない。
とりあえず最初の角を曲がった時、武装した男と目があった。



「げっ」

「むっ!? おい、侵入者だ! 殺れ!」

「ああもう。めんどくさいなあ……!」



目と目があった瞬間絶対好きにならないような挨拶をされて、関節を変形させる。はたしてあの重装備の胸元を突き破れるかと考えたが、念を纏ったものならば問題なかったようだ。
紙を貫くかのように、容易く突き抜いた右手を手元に引き戻す。手にした心臓を手早く握りつぶし、倒れこんできた死体は蹴り飛ばして走った。

先ほどの声に集まり始めた人間に嫌気がしながらも一人ひとり命を絶って道を切り開く。
騒ぎを大きくすればするほどクロロたちはあたしに気付くだろうという勝手な推測だ。



(どこに行ったんだよまったく……!)



走っても走っても同じような風景に頭が痛くなる。
終わりが見えずに苛立ってきた気持ちを沈めるかのように最大まで伸ばした円に知ったオーラが触れた――シャルだ。
見つかったことは嬉しいことだけれど、そう喜んでもいられない。近くには能力者が二人。実戦経験のない子どもが相手をするには少しばかり荷が重い。

手間取ればお荷物のあるこっちが不利だと判断し、本を左手に開いてページを捲る。
そのままシャルのいる部屋へと全速力で走り、扉を丁寧に開けるなんて動作が煩わしくて召喚したタナトスで壁ごと潰した。



「クレア!?」

「貴様、クリス……ッ」

「あがっ」



動揺でオーラが乱れたところをタナトスの剣が頭を横一文字に薙ぐ。
脳みそやら血やらが壁一面に飛び散り、糸が切れた操り人形のようにそれは崩れた。
呆気無く終わっていくものを省みることもなくすぐさまシャルへ駆け寄り、あたしを見て笑顔を作ったその顔を力一杯殴る。



「なんでこんなところにいるわけ」

「い……ってて……そんなの、理由はクレアと同じでしょ」

「身の程をしれ。自分の実力もわかってないクソガキが。あたしはお前らをこんなふうに……」

「わかってないのはお前だ、クレア」



背後から聞こえた声。自分の弟の聞き慣れた声。間違いないはずなのに、違和感があたしの胸に残る。
やけに冷たいその声に振り返れば、返り血で身体を赤くしたクロロが残酷な笑みを携えて立っていた。
その後ろにはどっちが多く殺せただのと騒ぐフェイタンとフィンクスがいて、その声の明るさにゾッとした。



「殺しに慣れるのに一日はかかったが、まあなんとでもなるものだな」

「クロロ、あんた……」

「クレアが思ってるほど、オレ達は弱いわけじゃない。いつまでもガキのままだと誤った判断をしてるのは誰だ?」

「……粋がりやがって」

「どうとでも言え。これは変えられない事実だからな」



目の前にいるのは一体誰なんだと聞きたくなるくらい、変わってしまっていた。
こうはならせたくなかった。誰かを殺すための力をつけたかったんじゃない。自分の身を守るために、その力を使って欲しかった。
奥歯を噛んで目の前のクロロから目を逸らす。



「クレアのいないこの二日で大抵の部屋は回った。考えられるのは入り口と同じように隠し部屋があるか、そもそもあの男とライデンはここにいないか……」

「後者だとめんどくさいね」

「んなもん探しだしてぶっ殺しゃあいいじゃねえか」

「そうだた、お前バカだたね」

「んだと……?」



一触即発の空気に、後ろで控えてたエマが「落ち着いてください!」と声を荒らげる。二人の間に入ったエマは、あたしをちらりと見て「あとはお願いします」と頭を下げた。



「まずは、散ったメンバーを集めましょう。それから、ここはクレア姉さんに――」

「なんで?」

「あんたたちじゃトゥールフには敵わないからに決まってるでしょーが。それに、負傷したライデンを運び庇いながらここは出れない」



ため息をつく。ちょっとできるようになったら自己過信がすぎる。
もうやってられないと子どもたちに背を向け、「さっさとここから出ろ」と突き放して再び走る。


――あたしは何を間違ったんだろう。

ぐるぐるとその質問が頭を回る。
クロロたちがああなったのはあたしが間違っていたからだ。イリアが死んでしまったのは、あたしが甘さを捨てきれなかったからだ。ライデンがいま危険な目にあっているのは――。

足が止まる。行き止まりだ。
だけどそれだけじゃない。にこやかな笑みで拍手をするのは、あれだけ探していた男。自然と手に力が入る。



「すごいよなあ。君の弟とその周り。たった一日で人を殺すことに快感を覚えちゃってるんだもんね」

「トゥールフ……!」

「あれはいい人殺しの道具になるよ? ね、クレア。立派に育てたねえ」

「黙れ」

「おっとー? オレにそんな口が聞けるんだ」



二日前の電話が思い出されてぐっと唇を噛む。
何も言えず押し黙るあたしを心底面白そうに見下したトゥールフは、腹の立つ表情のままあたしに一歩近づいた。



「なあクレア、お前が壊れる姿をもっとよく見せてよ」

「は? 何言って」

「姉さんから離れろ!」



響いた怒号にはっと後ろを見る。殺気を露わにして立っていたのはアルトだ。
マズい。瞬間的に判断して立ち位置を変える。それを見たトゥールフは、新しいおもちゃを見つけた子供のような純粋な笑顔で「いいものみーっけ」と指を鳴らした。



「っ逃げろアルト!」

「嫌だ、ライデンと姉さんが一緒じゃないと僕は嫌だ」



アルトが一歩踏み出す。
トゥールフの笑みが嫌なものに変わる。周りの空気がおどろおどろしいものになる。
アルトを庇おうとするも、トゥールフが腕を掴んで離さない。
待って、来ないで、お願いだから。何もしないで、望みがあるなら叶えるから。
そんな願いは露ほども届かず、壁が開いて円形をした刃が、勢い良くアルトに向かって飛んだ。
勢いのついたものが肉を断つのは容易い。「え、」と一瞬動きが鈍ったものを、ソレは簡単に二つに分けてみせた。

目の前が赤に染まる。誰かの悲鳴があたしの耳を裂く。
崩れていくのは誰。この声は誰の。

こうなってしまったのはあたしが間違っていたからなのか。なら、あたしはいったいどこで間違えたというんだ。



「あーあ。クレア姉さんの言いつけ守らないから」

「姉さ、」



息も苦しげなアルトから血が流れていく。それもすごいスピードで。
あたしがもっとしっかりしておけば。あたしがもっと強ければ。



「お前がもっと強ければよかったのにな」



耳元で囁かれる。それは一番あたしが触れられたくない事実。
カッと腹の奥が熱くなって、振り向きざまにナイフでその目を裂こうと一思いに振りかぶる。



「おっとー? 図星かな?」

「黙れ!」

「そうそう、その顔だよ……余裕なんてなくなって、憎悪と怒りに染まったその顔。それが見たかったんだよ、クリスチャン」



呼ばれた名前。全てを思い出すのには十分すぎる呼び名だった。
あたしが初めて殺さないといけないと思った人間。やっぱりあの時のあたしの直感は間違ってなどいなかった。あの時、殺しておけば。止められたとしてでも命を摘んでおけば、イリアもアルトも死ぬなんてことはなかったはずなのに。



「ライデンはこの扉の奥にいるよ、クレア。俺が今から2秒だけその扉をあけてやる。会いに行ってやればどうだ? 目の前の助からないガキなんて放っておいてさ」

「っ」



考える暇すら与えてくれやしない。扉が開く音がする。
あたしは一瞬だけアルトを一瞥し、それから視界に入らないよう目を瞑って扉の方へとかけ出した。後ろでトゥールフの笑う声がする。
トゥールフが開けた通路は、一本道で迷うことはなかった。逆にそれが、あたしに見捨てたという事実を突きつけてきて息が止まりそうになる。もう頭が壊れそうだった。

何分か全力疾走をしたところで、道は更に地下へと続く階段へと変わり、陰湿な空気があたしの頬を撫でる。
息を呑んでその階段を一歩一歩下ると、隠し切れない死臭と血の臭いがあたしの鼻腔をくすぐった。



「ライデン……?」



嫌な予感がする。これ以上先へ行ってはいけないと、頭の中で警鐘がこだます。それでもあたしの身体は前へ前へと進んでいき、一番奥にある扉の前へとたどり着いた。
手に汗がじっとりと吹き出ていることにノブを握ってから気付いた。異様に早い脈動が、耳の中で鳴ってやまない。
覚悟を決めるように空嚥下をして、あたしはドアノブを捻った。



「――ライデン?」



目に飛び込んだのは白。そして、床から突き出る鉄棒と、それに手足が繋がれた黒い何か。
床にはおびただしいほどの赤が散りばめられていて、一瞬であたしは絶望の淵に突き落とされる。
覚束ない足取りでその物体へ近づき、そっと手を当てる。温度はなく、もう冷たくなってしまっていた。



「は……はは、っあはははは!」



死んでしまった。助けたかったのに。一緒に居たかっただけだというのに、どうして、なんで。
言葉なんて出てこなかった。涙さえ溢れやしなかった。怒りも悲しみも、後悔の念も、感情が抜け落ちたかのようにそこだけポッカリと穴が開いて、出てきたのは狂ったような笑い声だけ。

あたしが間違っていた? そりゃそうだ。でなければこんな事態になっていない。

ライデンを抱きしめる。すると頬になにか冷たいものが当たって顔を上げた。



(なに……?)



首もとを見ると、いつかあたしがあげたグリーンファントムクウォーツのネックレスが提げられていて、そこでようやくあたしの両目から涙があふれる。



「なんで、置いていくの」



これ以上を望んだことなんてなかった。あたしはあの場所で、誰一人欠けることなく共にいられればよかった。

ロイドが死んだ時にも感じたこの感情。あたしが忌み嫌っていたはずのその感情の名前。



(ああそっか、この感情が殺してしまったんだね)



皆が大好きだったのだ。ライデンもロイドも、イリアもアルトも、あたしは皆を愛していた。重く、深く、それは呪いのように。
この感情が忌々しいものだと知っていたのに、この感情を誰かに向けてはいけないとわかっていたのに、持ってしまった、向けてしまった。
だから、皆死んでしまったのだ。愛してしまったからこそ、彼らは皆、ここからいなくなってしまったのだ。

後悔しても遅かった。けれど、後悔せずにはいられなかった。










もう生きてる意味もない。というよりも、もうあたしなんかが生きていい理由が存在しない。
ロイドを見つけることもできず、イリアを殺し、アルトを見捨ててライデンさえ犠牲にしてしまった。

銀ナイフの切っ先を自分の首に添える。



「クレア!?」



誰かがあたしを呼ぶ声を最後に、世界が闇に包まれた。



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追記
ヘルメス
┗ギリシア神話に登場する青年神。
オリュンポス十二神の一人。神々の伝令使、とりわけゼウスの使いであり、旅人、商人などの守護神である。能弁、境界、体育技能、発明、策略、夢と眠りの神、死出の旅路の案内者などとも言われ、多面的な性格を持つ神である。その聖鳥は朱鷺および雄鶏。幸運と富を司り、狡知に富み詐術に長けた計略の神、早足で駆ける者、牧畜、盗人、賭博、商人、交易、交通、道路、市場、競技、体育などの神であるとともに、雄弁と音楽の神であり、竪琴、笛、数、アルファベット、天文学、度量衡などを発明し、火の起こし方を発見した知恵者とされた。プロメーテウスと並んでギリシア神話のトリックスター的存在であり、文化英雄としての面を有する。


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あとがき

はい!これにて『僕らのヒーロー』第四部は終了となります。
展開が最初計画してるよりも早くて私もおっかなびっくりです。
今回出てきたトゥールフ君は、結構お気に入りです。白スーツに胸には薔薇の花という、あまりにキザったらしいという言葉をコピー&ペーストしたようないけ好かない好青年。こやつは今後も大きくお姉様に関わってきます。

この部ではたくさん(?)の死人が出ましたなー。……といっても、モノクロ世界を書いているときには、もうここのネタは書き終えてたので、最初からその予定といえば予定だったんですけどね。
あ、ロイドはその予定はなかったんですけど、話の流れで殺っちゃいました。ライデンと仲よかったので、あの世でも仲良くやってくれてるといいです。

さてさて、『僕らのヒーロー』も、だいぶ終盤となってきました。
残り少ない話数ですが、こんごともよろしくお願いします!!

2015.05.18. 鹿乃桃歌