▽お茶会
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さぁ、お茶会のはじまりはじまり。
砂時計の砂がお砂糖になるまで、どうぞこのままごゆっくり。

草の上に、お気に入りの布をひきましょう。
お菓子を並べてあったかい紅茶をよそったら、さあさ召し上がれ。

ゆっくり時間を楽しんで、目を瞑る。
それから深呼吸ひとつして。

とってもいい気持ちになれたでしょう?

閉じていた目を開いて気づいたら、なんだそこはいつもの部屋でした。
あたりには、さっきの甘いお菓子の香りがフワフワ漂って、時計の針がくるりと回る。

けれど夢ではありません。

スプーンの音がチリンチリーンと風を告げて、ポットの中で広がる紅茶の葉っぱ。
手の中に拾い上げた角砂糖をカリリと噛めばとっても甘い味がした。

砂時計の砂はすっかりお砂糖になりました。

森では今もお茶会が続いているはずです。

   

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