博愛で何が悪い 


「ロー!今日も格好いいね!あ!ペンギン、今夜部屋行ってもいい?」
船内の廊下でペンギンに絡んでいる男性は、ひとつ前の島でローに惚れたと言い有無を言わさずにこの潜水艦ーーポーラータング号に乗り込んできた。キャプテンであるローも満更では無さそうで、いつの間ににか二人は恋人同士になったらしい。
しかし、男性は所謂博愛主義者でキャプテンという恋人が居ながらクルーを見掛けては声を掛けていく。
それも人間だけではない、シロクマのミンク族であるベポまでもが男性の愛の対象なのだ。

「シャーチ!何してんの?」

陰から様子を観察していたが、見つかってしまったようだ。自分を視界に入れると男性は腕を広げて抱きつこうとしてきた。
後ろでは嫉妬したキャプテンにバラされたペンギンを見ながら、自分の未来を呪った。

博愛で何が悪い



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