追った背中はもう見えない
嫌な夢を見た。
男性のことを追っても追っても捕まらず、挙句の果てに見失う夢だ。
「っち、胸糞悪ぃ……。」
飛び起きた身体を鎮めるように、サイドテーブルに置いてある水を口に含む。飲みやすい温度になっていたそれは、喉を通って身体に染み渡る。
男性がおれから離れていくわけがない。
いや、やっと手に入れたんだ。離すつもりなんかねぇ。
追った背中はもう見えない
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