例えば僕が君を殺したとして 


「じゃあ、おれがローを殺したらみんなどう思うかな?」
再び、男性は意味の無い質問をしてくる。
まず、この男に自分が殺される可能性はほとんど無い。情事後の熱が籠った時間に隙を突かれる、ということなら少なからず可能性はあるかもしれないが、ただの戦闘員である男性が、能力者である自分に勝利することは難しいだろう。通常の戦闘でさえも男性は自分には及ばないのだ。
「お前がおれを殺すのか?」
「例えばの話だよ。」
ペンギンたちどんな顔をするかな。男性は話の内容からは想像出来ないほど爽やかな笑みを浮かべ浮かべている。
「シャチはきっと怒るだろうね。ベポは泣くだろうし、ペンギンはどうかな。」
あの冷静なクルーはもし自分が男性に殺されたらどのような反応をするだろうか。怒るだろうか、悲しむだろうか、男性を罵る?はたまたこいつを殺してしまうだろうか。いっそのこと、

「おれを殺してみるか?」

例えば僕が君を殺したとして



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