ベッドの中に入り数時間後の真夜中。
身体を横に向け、彼にピタリとくっついた。
仰向けに寝ているけど腕を回して私の体を抱え込むようにいつも眠る。
腕が長いから肩を抱くような体勢だ。
脇に頭がおさまるのでちょうど良い。
温かさを感じて匂いをたっぷりと吸い込んで寝ようとしたけれど
ふと気になって彼の顔を見た。
胸の上下がわかるものの、寝息はほとんど聞こえてこない。
静かに眠る人だと思った。
鼻筋が通り造作が整ってる顔立ちだという印象は出会った頃から変わらない、見つめる度に思う。
そんな事を考えているうちにまた、うとうとしてくる。
『建人さん…Jeg elsker dig.』
この間見たデンマークの言葉を腕の中でそっと囁いてからまた眠った。
数時間後の朝、今日は天気が良さそうだと閉じている瞼から感じる中
隣で彼が起きてベッドから出ていく。
ルームシューズを履いてカーディガンに袖を通す音。
寝室とリビングのエアコンを入れて、私が起きてくる時には暖かくなっているようにしてくれてるのだ。
今日の朝ごはんはなんだろうと
夢現、もう一眠りしそうな時枕元に何かが少しのし掛かった感覚がした。
『私もです…』
彼は私の耳元で囁き
軽く頬に手を当て親指で撫でた後、静かに部屋を出て行った。
その音を聞いて、私はまた眠りについた。
(Jeg elsker dig. / 愛しています)