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広い荒野を見ていると世界はとても果てしないものだと思う。
でも、私たちは果てから果てまで見てきたはず。
遠くの方へ視線を向けると
クレーターができたと思われる不自然な地形が薄っすらと見えた。
「・・どうした?」
後ろから声がしたけど、私は振り返らずにそのままでいた。
目を閉じると今でも、彼女の笑顔と花の香りが感じられる気がして・・・。
「・・・なんでもない。」
きっと私を見つめる青い瞳はそのまま、射抜くように私を見つめていると思う。
「風が冷たくなってきた。そろそろ、中へ入ろう。皆が心配してる」
「ねぇクラウド、私たちは・・」
振り返ると、少しだけ彼は微笑んでいた。
驚いて私は、言葉にしようとしてたことを飲み込んだ。
なにが間違いで、何が正しいかなんてわからない。
ティファに持っていってと渡されたのだろう、ストールがふわりと私の肩にかかった。
「大丈夫だ。」
広がる荒野をまっすぐに見つめる彼の瞳は、強い光を帯びて何の迷いもなかった。