もう一人の自分にバトンタッチ
怖い
私は貴方にそんな気持ちしか抱いていない
なのに貴方は
「好きなんだ」
突然のことになまえは硬直した。
頬を染めながら言われたそれは
何とも言えない沈黙をつくる
「えっ…本当に?それは友達として?」
「異性として、かな」
可愛いというか爽やかというか好青年のような彼に言われれば嬉しいのが当たり前だ
だが、なまえは嬉しいどころか背中に嫌な冷たい汗が出ていた
「ごめん、私…私は」
「だ、大丈夫?体調でも悪いの?」
後ずさるなまえに心配するように距離をつめる彼
「あっ」
後ろにあった木にぶつかり枝が腕に傷をつくる
「痛ッ」
そしてそのままボキッと折れた
なまえはハッとして彼を見た
腕から流れる血
それを抑える手
それを見た彼は
「あ…あ…ああああああッ」
「ひっ」
きっと自分はまた死ぬのだろう
だから彼と痛くないのだ。
アトガキ
私はラッセルさんが好きですけどね
もう一人の自分にバトンタッチ