小説 のコピー | ナノ
口塩田と犬飼とそれから真崎
おれにとってみれば塩田という存在は、ただ単にクラスメイトという認識しかなかった。
だからこそ、彼に告白されるなんて想定外。
だなんて甘っちょろい驚きはとおり超えてむしろバツゲームなんだろうと勝手に思考回路が切り替わってしまった。
とにかくそんなこんなで、目の前の真剣そうな顔をした彼にまっすぐ見つめられながら、非のないように言った。
「バツゲームとかなら、怒らないやつ選んでください」
それを言った瞬間の塩田の「えっ…」と、か細く悲しみの含められた声音にプラスして下がった眉と
傷付きましたと言わんばかりの表情が俺に襲いかかる負となる。
まさか本気だったとか言わないよねみたいに思うのは、やっぱりこいつが日頃ふざけてしかいないからで…
「おいこら真崎ぃぃ!!!」
「う、うわっ」
もちろん驚かない訳ない。
塩田に告白と言う人生の第一イベントされたあの瞬間よりも心拍数が激しく上昇したのはいうまでもなく、大声で名前を呼ばれたあげく草の茂みから身を乗り出してやってくる犬飼陽史が居たからだ。
「ちょっ…犬っち!いつから覗き見なんて…!」
「塩っちはすこし黙っとけ!!」
これはどっからどこまでが本気なんだろうか。
塩田は悲しそうな顔にもうひとつ、申し訳なさそうな表情をつけたして俺をみるから困る。
そんな、もしかしてもしかするとドッキリじゃないのかと信じそうなんだけど。これでドッキリだったなら塩田役者になれるレベルなんだけど。
「お前はこの日のために、どんだけ練習したかわかってんのか!?」
「待って、まじ?」
「マジに決まってんだろ!ドッキリの練習だよ!!」
ドッキリだった〜〜〜。
信じられないくらい安心して地面に倒れた。
大成功〜!なんて声が上から降ってくるのが恨めしい。
(塩田と犬飼が組むと)
(真崎に被害がおよぶシステム)
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