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かたかたと苦手なパソコンを打ち込みながら、眉間のシワに気づくたびに溜息が出る。そんなことを繰り返して数時間、何本目かの缶コーヒーを飲みほして目を閉じた。

苛々していたさっきの気分は今はもやもやでいっぱいだ。

原因は今現在、隣の部屋、おれの寝室で寝ているめずらしいお客さん。
親衛隊でもなければ俺のファンでもなくて、族関係の仲間でもない。なんだろ、友達?はっ、失笑するわ。仲間の友達でいいや。
目を開くと書類ばかりで汚い机と、毒々しいほどに眩しいパソコンの画面が目に入ってイラッとした。イラッとして、思い出して、結局もやっとする。


「なんでもっと上手く返してあげなかったんだろお〜…」


手伝いたい。

俺の目の下のクマをみかねてか、そう言ってきた後輩にイライラしていた俺はまともな対応ができなかった。いつもなら、同じように手伝うと言ってきた親衛隊の子達になら「要らないよお、俺こうみえて有能だから。ありがとね〜」なんてへらへら笑ってられたのに、今日は夜中で眠たさがピークなのもあってか早く寝ろよ、なんてずっと心では思っていた。

真崎はきっと繊細な子だ。

少しでも引っかかる言葉やしぐさがあれば、悩む。一を百にして考えてしまう。

相手はたいして気にしていないのに、自分の中ではすごい悪いことをしたと思い込んでしまうような……ああ、これは俺か。
真崎は似ているけど、結局なところまだいまいち掴みきれない。




「俺のパンツはいてんだよなぁ……」


考えていることとは全く関係のないことを呟いてみる。
この場に真崎がいたら、顔を赤くしただろうか、それとも呆れた顔をしただろうか。

そうだ朝起きたら、試してみよう。


いざ起きた時は、時計は12時。真崎の姿は部屋のどこにもなかった。



(罪悪感と焦燥感)



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