「どうだサトシ、渡れそうか!?」

「ああ!!ゆっくり歩いて渡れば向こう岸まで行けそうだぜ!?」

「そうか!?じゃあ順番にゆっくり渡るとするか」

既に半分ほど丸太を歩いたサトシの背中に続いてヒカリも片足ずつゆっくりと足を丸太に乗せ、ゆっくりと歩き始めた。

「ヒカリ!!浅いけど流れが早い川だからな、慌てないでゆっくり渡るんだぞ!!」

「大丈夫だいじょーぶ!!
こんなに大きい丸太なんだから落ちたりしないって…っきゃっ!!!」

タケシが心配した矢先、ヒカリの右足が丸太を軽く踏み外してバランスを崩した。


「「ヒカリ!!?」」


サトシとタケシの声が重なった。

反射的にサトシはヒカリの腕に手を伸ばす。
手首を掴んでから勢いよく自分の方向に引っ張り上げたが、そのまま二人はドスンと音を立てて向こう岸に倒れ込んだ。

その瞬間、別々の岸を繋いでいた丸太は見事バランスを崩して川に流れて行った。


「いってて…ヒカリ、大丈夫か!!?」

「う、うん。ごめんね」

「びっくりしたぞ、オレも別のルート探してそっちに行くから二人ともちょっと待っててくれよ!?」

「ああ!!!分かった!!」

丸太を失い、一時その場を離れたタケシの背中をサトシは見送った。


「サトシ…手」


「て…?ああ、悪い!!掴んだままだった」


ヒカリを掴んだ手をまだ離していなかったサトシは慌てて手を離したが、力強く握ったせいかヒカリの手首にはしっかりとサトシの手形が残っていた。

何となくお互いの視線がその一点に集中し、何故か気恥ずかしくなった二人は顔を見合わせて笑いながら頬を染めた。






離れない
(どうしてかな…
握られた手首から熱が離れない)






あとがき...
初めて書いたサトヒカ小説です。
ノーマルで一番気に入っているCPなので思い切って書き上げました(笑)

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