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 幼馴染

なんで

ここに

幼なじみが

いるの?


「七瀬くん?なんで私の部屋にいるのかな?」
「おばさんがここで待っててって言ったから」


お母さん、私も一応年頃の娘なんですけど


「で、なんで七瀬くんが私の家に?」
「名前に用事があったから」
「私に?」


はて、何かあっただろうか?


「ハルくん」
「は?え?」
「七瀬くん」
「…、何が言いたいの?」

七瀬くんの綺麗な青の目を見れない
だからプイッと横を向く

「なんで呼び方変えた?」
「…理由なんてないよ」
「相変わらず嘘つくのはヘタだな」


七瀬くんから目を逸らしてたのがいけなかった


「俺に嘘つけると思ってるのか?」
「嘘、じゃない」
「なら」


クイッ


「俺の目を見て言え」


七瀬くんは


ズルい


「……」


その透き通った目は
見透かされているようで

嘘が言えない

「…、だ、もん」
「え?」
「ハルくんのせいだもん!」


私が七瀬くんと呼ぶわけは

「ハルくんはどんどんカッコよくなってくし、泳ぐのは早くて、上手で、」

少しでも

「…好きになったから!だからハルくんと距離を置きたかった」

この感情を胸に閉じ込めたかった

「怖かったの!どうやって接していいか分からなくなって…、でも嫌われたくなくて…」

もう、言ってることが分からなくなってきた


「ならいいじゃん」
「…、え?」

「七瀬じゃなくていい」
「…う?」


「俺は名前が好きだから」


「う、そ」
「だから七瀬はやめろ」


もう我慢しなくていいんだ


「ハルくん…大好き!」






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