朝焼けは不幸の証か

 荒神博当日。真佐紀は、研究所で目を覚ました。
 表向きは研究がなかなか終わらず終電を逃したことになってるが、実際は何かあったときのために帰らずに残っていたのだ。
 しかし、まだ朝なのかあまり大きな動きは見せない。静かな朝だ。真佐紀は、窓の外の朝焼けを見た。綺麗で、どこか不安を煽るようで。真佐紀は窓から目を逸らすと、シャワーを浴びるために仮眠室から動くことにした。

 シャワーを浴びて着替える。相変わらず、静かだ。しかし、人がいないわけではない。もしかしたら、すでに何かしらの組織が侵入しているのかもしれない。
「とりあえず、散歩でもしますか」
 いるのかわからない椿組、あるいは他の組織に宣戦布告するように言う。戦いは避けたいが、はたして戦闘を回避して彼らの足止めをすることができるのだろうか。
 先程見た朝焼けを思い返す。少し震えているのがわかったが、やるしかない。
 とりあえず、散歩と見せかけてNECTERの敷地内をまわることにしよう。そして、見慣れないものを見つけたらこっちから仕掛ける……。
 今までに作った例のものがあるのを確認しながら、真佐紀は施設内を歩きはじめるのだった。

 

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