小説 | ナノ
10が女の子だったらB
※10が先天的に女の子の話。810気味。

ティーダの装備はかなり軽装なものだ。
速さを生かすために極力重さとなるものを排除したのだろう。
ペラペラのズボンに短い上着。
上着の下は胸を隠しているだけとしか言えない、赤いビキニの水着で、ばっちりとその豊満な胸の谷間を見せてくれている。

ティーダが言うには、出身世界は基本的に暑い世界なの水着で歩くのは普通とのことだった。
もっと露出が凄い女の子はたくさんいて、ティーダはそこではとても露出が少ない部類にはいるらしい。
くそ。全くもって美味しい世界だ。
俺もそこに生まれたかった。

そう考えながら、ジタンは腹に思い切り蹴りを食らった。
押されるように地面に体が近づき、腰を打ったがそんなのは気にならないくらいにジタンの意識はまえにあった。

目の前のティーダは蹴りの反動を使ってくるりと宙で一回転する。
その瞬間を見逃すわけにはいかないのだ。

ジタンはその瞬間を目を皿のようにして見つめた。

「よっし!勝ったッス!」


はしゃいで喜ぶティーダはぴょんぴょんと跳び跳ねて喜んでいる。
その様子が可愛いし、とても美味しいことで、ジタンはにやけそうになる顔を取り繕いながらティーダを見上げていた。

「いや〜今回も負けちまったぜ。また相手してくれよ?」
「いいッスよ!次も俺が勝つッス!」
「おーい。そろそろ休憩にしようぜ」


離れたところからかかった声に、バッツとスコールの手合わせが終わったらしくこちらに歩いてきているのが見えた。
ジタンは立ち上がると、ぱんぱんとズボンの砂を払った。
ティーダはびゅっと走り出すとスコールに飛び付いた。
今回は正面から来たんだから避けられるはずなのに、されるがままのスコールにジタンは『このむっつりスケベ』と小さく呟いた。

スコールはティーダのとる行動に文句をいうが、全部許容している。
言ってることとやってることが一貫してない孤高の獅子はまだまだお子様ですね〜と思わなくもないが、
スコールが心の奥底で抱えているだろう気持ちを引きずり出す気はジタンにはさらさらなかった。
なにせティーダは貴重な女の子だ。
スコールを本気にさせてこれ以上、独り占めされたら堪ったもんじゃない。

そんな風に思いながら、三人のもとにゆっくりと歩いていく。
バッツとティーダはジタンがこっちに来るのを確かめてから、歩き出した。
もっと日の当たって心地のよいところにいどうするのだろう。

スコールはこっちを見ながら、ジタンが追い付くのを待っていた。
ジタンは軽く手を挙げて挨拶するとスコールと連れだって歩く。

バッツがいないと、ジタンもスコールも黙ったままということは結構ある。
ジタンは賑やかなものが好きでもあったが、同時に静寂の良さも知っていたからだ。
ただ何も話さずに歩く。先程に手合わせを思い出せば、ジタンは機嫌は上昇するもので、しぱたしぱたとしっぽがご機嫌に揺れた。

「……なぜ手を抜く」


だから、スコールが言ったその言葉への反応が遅れた。
ジタンはスコールを見上げながら、なんのことだと思ったがややあって、先程のティーダとの手合わせを指しているのと理解した。

「……手を抜いてるわけじゃないぜ?」
「今回も負けただろう。最近、ずっと負けている。あいつが女だから手加減しているんじゃないのか?」


それはあいつの為にも、お前の為にもならない。
真面目な顔でそう言うスコールに、ジタンは困ってしまった。

確かにティーダは男勝りではあるがレディである。
でも手加減しているつもりはない。
全力でやりあっても、寸どめすればいい話だ。
他の連中だってフィニッシュは寸土めだ。
ティーダだって腹を蹴ってきたが、その後にくる剣による斬りつけはなかった。
だから、別に手加減していることはない。

それをそのままスコールに伝えれば、スコールは怪訝そうな顔をした。
だったらなぜここまで連敗するのかということだろう。

スコールの指摘通り、ジタンはティーダに連敗を喫していた。
実力的は確実にジタンの方がティーダより上だ。

スピードも、そして男であるジタンのほうがパワーもある。
そして一番は戦闘経験の差だ。いくらティーダが才能のある子でも、最近戦い始めたのと、才能もあって長く経験を積んだものとでは埋められない溝がある。

はっきりいってしまえば、ティーダはコスモスに中では実力は一番下だ。
けれど素人ゆえに定石に反した戦いかたをするので、足手まといというわけではない。

ティーダは活路を見いだす天才で、どんな窮地に陥ってもティーダは生存への抜け道を見つける。
だから、ティーダと共に戦う時はどんなことがあっても大丈夫といえる無限の可能性を感じられるんだ。

ただそれは、外敵との戦闘ではないと発揮されない能力だ。
だからこそスコールにはジタンが手を抜いていると思えるのだろう。

「手加減じゃないけどさ。どーしても途中で気になっちゃうんだよなー。本能的に?」

ジタンの返答に、意味がわからないといったようにスコールは顔をしかめた。
その様子に、ジタンはくすりと笑って話の種明かしをしようかと思ったが、
前方を歩いていたティーダがくるりと振り向くと、こちらに駆けてきたのを見つけて口を閉ざした。

「なーなー。スコールとバッツの勝負はバッツが勝ったって本当ッスかー?」

そういうティーダにスコールは僅かに声を大きくして『勝ったのは俺だ。嘘をつくなバッツ』と遠くで笑っているバッツに言った。
それを聞いたティーダは『やっぱり嘘だったんスか!』とバッツに文句を言っている。
バッツは相変わらずのらりくらりと笑って、水場の方へと行ってしまった。
それを追いかけようとしたのか、ティーダは走り出しかけたが『あ』というと再びくるりと振り返った。

「なあ、休憩の後は俺とスコール。バッツとジタンの組み合わせでいいよな?
俺、最近調子いいから、スコールに勝って、今日のMVPを頂きッスよ!」
「そんな簡単にやられるか」


スコールの返答に、ティーダは『絶対勝つ!!』と言うとぴょんと高く飛びあがり、意気込んだ。
そしてにっと笑うとバッツと同じ方向へと走っていく。
その姿を見ているスコールの雰囲気が穏やかなもので……。
ジタンは無性にからかいたい気に刈られた。

ジタンはティーダが小さくなっているのを確認してから、スコールにぽつりと話しかけた。

「さっきの見たか?」
「なにをだ?」
「ティーダ、ジャンプしただろ?」

スコールは不思議そうな顔をしていて、ジタンが何を言いたいか予想が全然ついていないらしい。
鈍感なスコールらしいなと思いながら、ジタンは口許を歪める。

「胸、すっげえ揺れてたよなぁ」
「………」

ふいっと顔をそむけたスコールに、やっぱり見てはいたのかとジタンは笑った。
そりゃ見るよな。惜しげもなく晒された胸は反動に素直にしたがって揺れるのだ。
それを目の前で披露されて見ない男はいない。

「ティーダって凄いトリッキーな動きで戦うだろ?バック転とかバック宙とかしょっちゅうだし」
「……おい……ジタン……」

そこまで言えば、スコールはジタンが言いたいことが分かったのか、非難がましい目でジタンを見てきた。
けれど、そんな反応もなんのその。
ジタンはふっと笑った。

「凄いから見てみろよ。あれが拝めるなら、俺はいくら負けたって構わないぜ」

ジタンはそう言うと、スコールを置き去りにするように走り出した。
実に休憩後の手合わせが楽しみだ。

スコールが勝つか、ティーダが勝つか。
楽しませてもらうとしよう。


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思春期の青少年らしく、おっぱい気になっちゃえば良いと思う。
たぶんきっと、スコールは気にしない気にしないとか思いながらも見ちゃって、辛勝すればいいと思う。

ちなみにバッツは大人なので、『おっぱい見ながらでも勝てるだろ?』とかしれっと言えばいい。
ちなみにクラウドもバッツと同じ意見でヨロシク。
その辺気にしちゃうジタンはまだ少年っていう感じなのがいいです。
bkm
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