DFFでのED後に10が8の世界に行く話です。
10が後天的に女の子になってます。体だけが約13歳になってます。
※そんなことになったの理由:わしが萌えるから。
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スコールは唐突に目を覚ました。
ちかちかとする視界には、バラムの海が広がっていて(それが分かるのは海岸線沿いに遠くにバラムの街が見えたからだ。)、『ああ、帰ってきた』と納得した。
ぼんやりとしたまま手のひらを見つめれば、自分が喪してしまったものの大きさに眉を顰める。
神々の世界での戦いは、沢山のものを得て、そして失った。
絆や信頼が失われたとは思わないけれど、あの世界で共に戦った仲間と邂逅することなんてもうないのだという事実が、もとの自分の世界に戻ってきたことへの安堵と一緒に同時に僅かな喪失感を感じさせる。
「…………」
これでよかったのだ。
そう、思おうとするが中々上手くいかない。
最初から期限付きのものだとも分かっていたが、スコールはこの世界に戻ったことで心を通わせた、仲間というだけの関係では表せない相手も失ってしまった。
別れは決まっていた。
それでも、手を伸ばしたのはスコール自身であり、相手もそうだった。
向こうも、別れに……悲しんだりしているだろうか。
できれば、泣いてなければいい。
スコールは静かに息を吐き出すと、ひとまず移動しようと腰をあげた。
いまが一体いつで、この世界で自分はどういう扱いになっているのか。
時間は大きくずれてしまっているのか、それとも変わっていないのか。
何一つ分からないが、現状をとにかく把握しなければ。
そんな風に知るべきことを頭の中で並べ、スコールはひとまずバラムガーデンへと一歩を踏み出そうとして……ぎょっとして足を止めた。
海の方に向いていたため、とりあえず陸へと振り返ったのだが……スコールのいた場所のすぐそばに人が倒れている。
しかも、それはただの人ではなく……いや、人なのだが、ここにいるのがおかしい人物だった。
スコールは止まった呼吸のまま、ざりざりと砂浜を歩く。
そうして、人が倒れているところまでいくとまじまじとその人物を見つめた。
赤みを持った明るい金髪。
ほどよく焼けた小麦の肌。
はだけたジャケットから見える、シルバーのネックレス。
「………ティーダ?」
その呼びかけは、随分と疑問系になってしまった。
その理由は幾つかある。
一つ目は、ティーダという人物は自分と同じ世界の人間ではないこと。
二つ目は、元の世界に帰ったはずだからここにいることがおかしいこと。
三つ目は、……なんだか、自分が知っているよりもサイズが随分小さく、子供と言ってもいいくらいに見えること。
そして最後。
……肌蹴たジャケットから覗く胸板が、胸板じゃなくて……胸に見えること。
「……ん?あれ……スコール?」
呼びかけに身じろいだ相手は、ぼんやりとした様子で目を開け、そして視界に映っているだろうスコールを見た。
むくりと起き上がり、目を擦り……あたりを見渡している。
スコールはいつになく、背中に冷や汗が流れるのを感じた。
どうしてここにいるんだろうということが気がかりだし、相手がティーダということは理解しているけれど、その姿は自分の知るところによるものじゃないとか。
「……スコール?え?あれ?」
声が高い。
スコールは冷静にそう考えながら、起き上がった相手の胸に目が行ってしまう。
うすっぺたいけれど、男にはありえない、少なくとも以前のティーダにはなかった膨らみがそこにある。
けれど相手はまだ気づいていないのか、きょろきょろとあたりを見渡している。
そして驚いたような顔で、『こ、ここどこ!?』と叫んだ。
その叫び声が、『俺の息子がーーーーーーー!!』になるのは数分後の話だ。
現時点で分かっていることは、三つ。
一つ、なぜかティーダがいる。
二つ、なぜかティーダは幼くなってしまっている。
三つ、なぜかティーダは女になっていた。
それだけだ。
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前提の話です。
こっから、バージョン違いのをもそもそ書こうかと思います。
バージョンAはバラムでスコールと一緒に暮らす話。
バージョンBはティーダがエスタで暮らしてて、スコールとは別々に暮らしている話です。
bkm