※2万打こっそりフリリクA
※なんとなく大学生×中学生、全力でオチ無しR18注意



高校受験を間近に控えたとある日。無情にも返されたテスト結果に、タクトは暗澹たる思いで自身の席に着いた。周囲ではいつもより良かっただの悪かっただのとクラスメイトたちの騒ぐ声が遠く聞こえてくる。
「……九十四点」
平均点は軽く超えている。比較的難問ばかりで構成されていた今回のテストに関しては、この点数はむしろかなり良い方であった。普通に考えれば何も悲観すべきものはない。喜びこそすれこんな沈んだ気持ちになる必要は無いというのに。
一日を終える鐘の音が響き渡りざわめく空気の中、タクトは教科書を広げっぱなしの机に突っ伏すと、大きな溜息を吐いた。

――九十五点以上取れたらきみの勝ち、それ以下だったら……


「っあ…んぁ……はあ」
「九十四点か、惜しかったね」
抑えきれず漏れ出る色付いた声、それに低く笑う声が重なる。
わざとじゃないよね、とタクトの耳元に落とされる言葉に弱く頭を振れば、相手が笑みを深くする気配を感じた。
「せんせ…い、も……やだぁ」
タクトがゆるゆると背後に視線を流すのを、背後にいる彼がレンズ越しに淡い月色の瞳を細めて受け止める。
細い銀のフレームの眼鏡を授業の時だけは絶対に外さない、家庭教師として週に数度訪れるシンドウ・スガタとはそういう男だった。どこか有名な大学に通っていると初対面時に紹介を受けた気がするが、タクトが彼について知っていることは少ない。唯一確かなのは、一見冷たい印象を与える切れ長の瞳がタクトを見る時に幾分柔らかなものになることぐらいで。それは体を重ねる関係になってより顕著になった気がした。
まだ幼さを残す身体を震わせるタクトを膝上に乗せ後ろから抱き込んでスガタは小さく笑った。
「問題が解けるまでは止めないって言ったろ」
言って、大きく割り開かせた剥き出しのタクトの太股へと手を滑らせれば、びく、とあからさまに彼は肩を跳ねさせる。素直な反応を見せる少年が可愛くて晒された項に口付ける。それだけの刺激にも耐えられないとタクトの紅い瞳には水の膜が今にも決壊しそうに張り詰めていた。
「解けるまで動かないから」
「…ふぁ……あ、む、りだって…ばぁ」
言葉通り、タクトの手に握られたシャープペンシルは役目を果たすことなく、意図せず触れた先が紙の上に歪んだ線を走らせている。正しく機能しない頭で問題を解くのも、支配された身体でペンを動かすのもままならない。
スガタの膝に座らされた体勢で彼を受け入れているこの状況で、タクトに冷静さを維持出来る筈がなかった。スガタを呑み込んだ後孔が痛みではない別の感覚に疼いて全身が熱を持ったように熱く感じる。無意識に収縮を繰り返してはその質量を思い知らされてタクトはぎゅうと唇を噛んだ。
眼前に広がる数字と記号が乱舞するテキスト。いつもなら少し考えれば導き出せるはずの問題が今のタクトには酷く難解な問いにすら見えてくる。ただの数字の羅列にしか見えないそれを、それでも解かなければいけない。でなければいつまでもこのままで、快楽とも苦痛ともつかない状況から脱することが出来ないのだから。
「今日は随分時間がかかるね」
優秀なきみには珍しい、とスガタは楽しげな声を上げ、中途半端に身に着けたままのタクトのシャツへと手を忍び込ませるとぷくりと主張する胸の頂へと触れた。小さな突起を柔く摘んでみたり爪を立ててみたりと弄ぶ。
スガタの指がいたずらに動く度にタクトは耐え切れず声を漏らし、体内に納めたスガタを締め付ける。もっと強い刺激が欲しいと全身で訴えているようだと、スガタは意地悪く口角を上げた。
「それとも、きみはこうやって焦らされるほうが好きなの?」
「ちが…っ、うあぁ……!」
からかい混じりの質問に乗せ不意に軽く突き上げれば、タクトはテキストに額を押し付けて襲う快感に喘いだ。その様子にスガタは小さく笑むと名残惜しげに胸の飾りを弾いて、そのまま下肢へと手を伸ばしタクト自身へと這わせ、ぬめる先端を撫でた。とろりと湧き上がる白濁を指に絡め擽るように力無く擦り上げる。あくまで直接的な刺激は与えず、じわじわとタクトを追い詰めていく。
提示された問題が解けるまで、ずっとこのまま。
絶望にも似た思いに駆られながら、少しでも冷静さを取り戻そうと息を吐く。その行為だけでも体内を満たすスガタのものを意識して、熱が上がったような錯覚を覚えた。
「……っは、く」
穏やかにタクト自身を撫でる手の動きを奥歯を噛み締めて堪え、テキストを睨み付ける。霞みがかる頭でいくつもの公式を引き出しては当て嵌めて、震える指先でペンを走らせていった。
出された問題は少なく、今回のテストで外したものの応用。敗因はちょっとした計算ミスで、お世辞でなく優秀だとスガタが評するタクトに解けない問いではなかった。
落ち着いて向かえば、出来る、はずだ。
消しゴムを使うこともまともに出来ず、焦りに何度も間違えてはぐちゃぐちゃに塗り潰して書き直す。そうして最後の解答欄に、やっとの思いで導き出された数字を歪む視界で書き込んだ。
「――ん、正解」
書きなぐるように空欄を埋めた瞬間、ぐいと引き寄せられて晒されたうなじに痕が残るほど強く吸い付かれる。持っていたペンは簡単に指から滑り落ち、硬質な音を立てて転がり視界から消えた。けれど、タクトにそれを追う余裕はもうどこにも無かった。
「よくできました。……ご褒美だね」
「ああっ…ん、や……はあっ」
スガタは首筋からタクトの耳元に唇を寄せ囁くと、思わせぶりに動くだけだった手の動きを強いものに変えた。絶え間なく溢れ出る快楽の証が淫らな水音を立てるのに耳を塞ぎたくなる程の羞恥が浮かぶのに、それすらも気持ち良くなる一端を担って、タクトはおかしくなりそうな頭を力無く振った。
止めてほしいという思いと裏腹に身体は貪欲になるばかりで制御出来ない。問題を解くことに躍起になって抑え付けていた分が一気に押し寄せて来たようだった。
「んっあぁ……、せ、んせいッ…!」
無意識に背後のスガタへと伸ばされた手が少し長めの青髪を掴むように触れてすり抜ける。それに眼鏡の向こうの瞳を愛しげに眇めて、空を切ったタクトの手のひらを空いた方の手で捕らえると指先を絡めた。
あと少しで達しそうなタクトから手を離し、日に焼けていない細い腰を掴み引き寄せれば、既に深い繋がりをより強く体内に感じてタクトは狂おしげに背を反らせた。びくびくと震え絡み付く襞がスガタを誘い込む。すっかりスガタの味を覚えてしまった身体は欲に正直で可愛らしく、手放せそうにないなとスガタはくすりと笑った。
舌足らずに先生と呼ぶ声に顔を上げれば、熱に浮かされたような表情でタクトがスガタを振り返っていて。そのまま不自由な体勢で啄ばむようなキスを交わして、潤む赤色に青の光彩が映り込み幻想的な輝きを見せた。
「…ふぁ…あン、ね……もっと…」
欲しい、と甘ったるくねだる声音と、スガタの上で物足りなさそうに揺れる下肢が、先程までタクトの中に在ったはずの理性を粉々にしたのだと伝えてくる。そうして、繋いだスガタの指先を口元に寄せたかと思えば覗かせた舌で舐め上げて、咥内へ誘い込む。濡れた音を響かせて含まれる端に嚥下しきれなかった唾液が皺くちゃになってしまったシャツに染みを作った。その光景にスガタが微笑むと、繋がりを解いたタクトの指先が覚束無い動きでスガタの眼鏡を外し、先に落下していたペンを追うように手のひらを滑る。
授業中は外さない眼鏡。それを外させたタクトの意図にスガタが気付かない筈がなくて。
「……本当に、きみは優秀だよ」
タクトの柔らかな赤髪を撫でて、覗く耳朶をスガタは甘く噛んで低く囁いた。
授業という名のお遊びは終わりだ、と。


教える事ならいくらでも



「家庭教師スガタ&生徒タクト(+α)」頼むから 勉 強 し ろ 。ということで驚くほどテンプレですね!スガタさん中学生に手出すとか変たryすぎて禁断の夢オチ使いそうになったのは内緒です。タイムリーに公式予告で眼鏡スガタが出てきたり恐ろしいです(笑 つばき様、この度は素敵なリクエストありがとうございました!なんだか指定されたものと違う方向へ転がってしまいましたが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
@11-0302

モドル
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