※ちょっとGファン3月号のネタバレがあるようなないような...←

「....あまい、ですね。」

「....上手いか?」

「はい」


そう言って弥太郎は優しく微笑んだ。俺はこいつのこの表情が好きだ。
普段は...といっても半分以上俺のせいなのだが....笑うこともなくまるで仮面をつけているかのように表情を変えることすらほとんどない。
19といえど俺にとってみれば子どもだ。昔からずっと変わることなく、弥太郎は俺の大事な奴だ。
弥太郎もなっちゃんも、できれば野羅とは関係なく生きてほしいとは思うが、現実的にそれは不可能だ。(遥は俺がどうこういおうと頭のなかは洋の注意をひくことしかないだろうし)
身寄りなんてねぇし、ここを出て行ったところでどうやって生きて行く?
下手してあの腐敗した警察集団に招かれたら?結果として、一番安全なのはここなのだ。


幸せそうな表情をしている弥太郎の頬を両手で包む。
あぁ、そういやこないだ秋吉も同じ事してたな。と、すこし複雑な気分になったが、もしあいつがここにいたらいつものようにへらへらした表情で
それを指摘するのだと思うとさらに複雑な思いが募る。

.....あんな馬鹿は放っておこう。今度見つけたときはどれだけ嫌がろうがなんだろうが無理矢理連れ戻す。


「聡明さん?」

「あぁ、なんでもない。ほら、口あけろ。」

「...!自分で食べられます!」


つい先ほど俺が弥太郎に渡した箱から、一粒つまんで弥太郎の口元へと運ぶ。
と、弥太郎が驚いたように俺を見上げ、頬を赤く染めて抵抗する。....こういうのをみて可愛いと思ってしまう俺は重症だとは思う、言っておくが一応自覚はある。
もしこれが30年前だったらジョージの奴はしかめっ面するんだろうな、と思うと思わず笑えた。


「ホワイトデーなんだから別にいいだろ、ほら。」


俺の言葉におずおずというような様子で小さく口を開いた弥太郎の口に、白いチョコを入れる。
甘い匂いが部屋に広まる。
やはり恥ずかしかったのか、それとも単にくっつきたかっただけなのか、ま、俺としては後者の方が嬉しいのだが
弥太郎が頭を俺の胸に埋めた。その体をそっと抱きしめて、ゆっくりと額に口づけた。

再び顔を赤くして、俺を見る弥太郎を抱きしめた。


******
ただ毛探偵でホワイトデーをしたかっただけwww
  




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