「ねぇねぇ、帝人くん」
「......なんですか、臨也さん」
「愛、って何だと思う?」
突如僕の部屋に現れた人物は唐突に問いかけた。
「.......はい?」
「ん?いや、なんかね、テレビで愛が〜....って言ってる人達が居たんだけどね」
愛って何だろうかって思って。
そう言って臨也さんは僕の家のクッションを抱きしめて笑った。
愛とは何か?
そんなこと聞かれても正直わからないんだけど......
(でもきっとわかりませんじゃ許してもらえないよね)
が、普段人ラブだと訳のわからないことを叫んでいる人が今さら愛について問いかけるなんておかしい。
ましてや答えを他人に求める、なんて。らしくないじゃないか。
「.....というか何でそんなこと僕に聞くんですか??」
「それじゃあ帝人くん以外に誰に聞けって言うの?まさか静ちゃんに聞けとか言うんじゃないよね?間違いなく俺自動販売機投げつけられるよ」
「......」
臨也さんと静雄さんが愛について語り合う?
いや、現実的にありえない......。というか、ありえないで欲しい。
二人が語り合うとしたら........、きっと殺人方法とかそういう話じゃないかな.....?
「光の反対は闇。月の反対は太陽。.......好きの反対は無関心。それじゃ愛の反対は??愛は好きとは違うのかな?」
「いざや、さん.....??」
「俺はね、帝人くん。知りたいんだよ、ヒトを」
微笑む臨也さんが少し悲しそうに見えた。
このまますっと消えて行きそうな、そんな気がして。
無意識に、臨也さんを抱きしめた。
抱きしめた彼は、俺が思ってたよりずっと冷たく細かった。
「....臨也さん.....」
「ん〜?な〜に??」
「僕も一緒に探してあげますよ、答えを」
ありがとう、そう一言言って臨也さんはごく自然な流れで
軽いリップ音をたてて、僕の唇を塞いだ。
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