雨が降った。
たしか昼間では太陽が出ていたはずなのに、強い風が吹き始めてバケツをひっくり返したような雨が地面を叩きつけた。
委員会で普段より学校を出る時間が遅くなったせいだと、少し心の中で悪態をつきながら自転車にまたがって、校門を出る。
__と、
「.......臨也?」
「へ、あれ?ドタチン.....何やってんのこんな時間に」
土砂降りの雨の中傘もささずにそいつはそこに居た。
否、居たというよりかは校門にもたれて倒れていたという表現の方が正しいのかもしれない。
腫れた頬や、腕に残る内出血の痕が痛々しい。
本当に毎日毎日懲りない奴だと思いつつも、結局自転車から降りて臨也を傘の中に入れてやり、鞄からタオルを取り出して頭を拭いてやる俺は結構なお人好しだと思う。
「図書委員会だ。で、お前はまた静雄と喧嘩か....」
「知らないよ、シズちゃんが勝手に怒って勝手に暴力振るってきただけ、ご丁寧にベンチまで投げてくれたよ。」
「......これ、ベンチだったのか.......」
こいつらの喧嘩に巻き込まれるものはいつも無残な姿になってる。机にしろ、椅子にしろ。あとは、なんだ......。
まぁ、巻き込まれて無事だったものはない。器物損害という言葉の意味を辞書で引いてほしい。
「ほら、立て臨也」
「え?」
「送ってく、から後ろ乗れよ。」
「......いいの?家逆方向なんだけど」
少しばかり申し訳なさそうな顔をしているそいつの腕を引いて立たせる。こうしてるとどうしても静雄相手に喧嘩をしてる奴には見えない。
俺よりも低い身長、一般的に見ても細い体。無理矢理傘を押し付ければ小さく笑った。
「ドタチンってさ、ほんと優しいよね」
「そりゃどうも」
「.....あったかい」
後ろにまたがった臨也の手が回される。触れる体が冷たい。一体どれだけ雨にぬれていたんだとため息をついた。
まるで捨て猫でも拾った気分になる。と、言ってもこいつは猫なんていう可愛い気のあるものではないんだが。
「ドタチン」
「ちょ、揺らすな!危ないだろ」
「.......ははは」
後ろで体を揺らしては笑う、そんな理解不能な奴に今日も振り回される。
でも、それが嫌じゃない理由は......______
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やっぱりドタチンが好きです←
いいキャラしてますよね、彼((笑
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