言えない。ただ、その一言が、言えない。
だから、苦しくて、泣きたくて、どうしようもなくて。
「....シズちゃん....」
俺の家のテーブルに突っ伏して眠っているシズちゃんのシャツを、きつく握ってみた。
愛すことは得意だと思う。
ずっとずっとそうしてきたのだから。シズちゃんへの愛とは少しばかり違うけれど、俺は人間という存在をずっと愛してきたのだから。
愛して愛して、俺の中の全てを捧げてきた。
だから、なのだろうか。
愛されることが怖いと感じるようになったのはつい最近のことだ。
シズちゃんと一緒にご飯食べて、一緒に過ごして、それで、それで.....
シズちゃんの暖かい手が俺に触れることも、サングラス越しの目が優しく細められるのも、今までになかった経験で。
だから、怖くなった。
どうしていいのかわからないのだ。
折原臨也という存在をちゃんと愛してくれたのは、シズちゃんだけなのだから。
俺が、手を切ってきたようにシズちゃんもいつか俺の手を話すのかもしれないという考えさえ浮かんでくる。
いつかシズちゃんの中の俺の存在は消えるかもしれない。
だんだん小さくなっていって、シズちゃんの心から追い出されるのかもしれない。
そうなったら、俺はどうしたらいい?どうやって生きて行く?1人シズちゃんを思って生きるのだろうか。
「....シズちゃん、好き.....でも、だから怖いんだ。」
シズちゃんが俺の愛を拒絶したら、だとか結局くだらない思考に至る。
一つの不安が瞬く間に広がる。まるでこれじゃパンデミックと同じ。
重たいとか思われたくなくて、逃げていたらいつまにかシズちゃんに好き、という言葉が言えなくなった。
今みたいに寝てるときとか、1人のときとかは言えるのに、いざシズちゃんを前にすると、心が叫ぶ。
泣きそうに、悲鳴を上げる。怖い、と。捨てられたら、拒絶されたら、重いと思われたらどうするのだと。
「好き。好きなんだ、シズちゃん。だから.....俺のこと、捨てたりしないで、ね。」
「.....誰も捨てるとか言ってねぇだろ。何勝手に考えてんだ。」
そっとシズちゃんの頬に触れた瞬間、閉じられたいた両目がまっすぐに俺を捕えた。
驚いて固まる俺をよそにシズちゃんはきつく、俺を抱きよせた。
「.....起きてたんだ...?」
「今さっきな、ったくなんか暗ぇ顔してると思ってたらくだらねぇ....」
「......っ」
「........お前が嫌がったところで地獄の果てまで追いかけてやるから安心しろ。」
「は.....?」
頭が、混乱して何が何だかわからない俺をよそにシズちゃんは優しく目を細めて
いつの間にか流れていた俺の涙をぬぐった。
思わず身をよじって逃げようとしたが、シズちゃんが相手だ。願いもむなしくがっちりと体を捕まえられた。
「愛されるのが怖い、か.....。手前らしいぜ。」
「....だって、.....」
「覚えとけ、臨也。俺はお前以外見るつもりなんかねぇんだ。.....覚悟しとけ。」
「....っ!」
乱暴に、でも優しく俺の唇を塞いだシズちゃんの背中に、ゆっくりと手をまわして、みた。
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甘いのを書こうとしたらこうなった....
............だれか私に甘いシズイザを提供してください。(真顔
甘甘降臨してくれ!!!!!!
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