「どうしてこうなった。」
目の前で布団や自分達の服をごちゃごちゃにして枕投げと言う名の戦争をおっぱじめているチームメイトに向かって、私は小さく呟いた。
「ちょっ、何してんの?!え、赤司くんまで!?」
「事の発端が赤司くんなんですよ。」
「ぅへぁ?!黒子くん?!」
いつものことだけど、いつの間にか隣に立っていた黒子くんに声をかけられて、私は奇声をあげるはめになった。 合宿2日目の夜。確かさっきまで赤司くんがミーティングするとかってレギュラーのみんなを集めていたハズ。
「え、赤司くんが枕投げ始めたの…?」
「いえ、1番初めに投げたのは青峰君です。」
「デスヨネー」
「それを黄瀬君が顔面で受けとりまして、」
「おいモデルの顔面。」
「仕返しに黄瀬君が投げた枕が赤司くんに当たりまして、」
「ちょ、悪いの黄瀬くんじゃん。」
「例によって魔王が降臨しました。」
「うん、お疲れ。で、黒子くんはミスディレってみてるわけだ。」
「ボクがあの人達の投げる枕に耐えられると思いますか?見てくださいこの力こぶ。」
「うん、ないね。あれ、さつきは?」
「監督と明日の買い出しに行きました。」
「ちょ、私もマネージャーなんですけど。そんな話聞いてないんですけど。」
黒子くんとそんな会話をしている内に、戦争は激しさを増していた。恐らくお菓子で紫原くんを買収したのであろう赤司くんと、カタパルトの如く枕を繰り出す紫原くん、それから、眼鏡がふっとんだらしく役立たず気味の緑間くんの3人と泣き顔の黄瀬くんと笑顔の青峰くんの2人組が、両陣営にある布団を盾に砲弾(枕)から身を守っていた。 赤司くんの後ろに黒いオーラが見えているのは私だけではないらしく、黄瀬くんが「赤司っちごめんなさいッス!赤司っちごめんなさいッス!!」とか泣きながら謝っていた。枕を投げる手は、止まっていなかったけど。
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