女子の中でもかなり小さいだろうその身体を座ったままベッドに押し付けて強引に口付ける。「んぅ!」とカンナさんが声をあげて、ぎゅぅっとボクの腕を掴んだけど構わない。唇の間から舌を強引に入れて口内を蹂躙するとカンナさんの手からみるみる力が抜けて。


「ん、ふ…。ん、んん…や…ぁ……」


可愛い声に夢中になって舌を吸うとカンナさんの目尻からつぅっと綺麗な雫が流れてきた。そこでやっと我に帰って身体を離すと、カンナさんは肩で息をする。ああ、理性は取り戻したはずなのに、唇の端に光る唾液が扇情的過ぎてまたおかしくなりそうです。


「カンナさん、すみませ」

「謝らない、で?」

「え?」


うるうるとした目で見上げられて、やっぱり無意識は恐ろしいと確信する。今すぐ、このベッドに押し倒して、少し短めのスカートや、下着が透けかけているブラウスを脱がせて、彼女に触れたい、という欲望が次から次へと沸き上がる。ボクは、獣なのかも知れません。でも、謝らないでって…?


「あの…カンナ、さん…」

「わ、私、ね」

「え?はい…」

「ずっと…ね…」


何か言いたげにカンナさんが言葉を区切る。真っ赤になった耳は、彼女がこれから言わんとしていることが、彼女にとっては恥ずかしい何か、であることを物語っていた。


「ずっと…て、テツヤ、に……テツヤに…っ」

「は、はい…」




「触っ、て、欲しかった…よ?」




ボクの中の欲望を見抜いたかのような発言に面食らうと、彼女はそれをボクが引いたのかと勘違いして「ご、ごめん。い、いまの無しっ!」とぶんぶんと手を振った。そんなかわいいかわいいかわいいかわいいカンナさんに、とびかかるように抱き付いて、苦しいほどに抱き締める。「ひゃっ?!」と可愛い声をあげた彼女に再び深い口付けを落とすと、今回は抵抗もなく、むしろ積極的に舌を絡ませてきた。


「ふ、ぅあ…んむ……ちゅくっ…」

「ん…カンナ、さん……む…」


ちゅくちゅくという音がボクの部屋に響いて、脳髄を甘く溶かす。ボクのキスで言わんとしていることを察したらしいカンナさんは、ボクの制服の背中をぎゅぅっと掴んだ。


「んはっ…は、はぁ……テ、ツヤ…大好き……」


唇を離すと、ボクの厚くはない胸板にネコのように頬を寄せるカンナさん。このまま、ネコのようにベタベタに甘やかして飼い殺したいです。


「テツヤは…いっつも壊れ物を扱うみたいに私を扱うでしょ…?でも、ね…私はずっとテツヤに触りたかったし、触って欲しかった…。……えっちな子は、キライ?」


卑猥な単語がカンナさんの口から出たことに男としてかなり反応してしまったものの、何よりもカンナさんがボクと同じことを思っていることが嬉しくて、「…好きです……ボクも、同じように思っていた、と言ったら…カンナさんは、ボクをキライになりますか…?」と、耳元で囁いた。多分カンナさんよりももっと淫らなことを考えていた、と言うことは、一応内緒にしておきます。


「ううん…。キライになんかならない……むしろ、無表情なテツヤがそんなこと思っててくれたなんて嬉しい…。」


さっきのキスも、凄く嬉しかった。とカンナさんはボクの首に腕を回しながら言う。どうやら彼女は、ボクの最後の砦まで崩そうとしているらしく、彼女がその気なら、と、ついにボクはカンナさんをベッドの上に乗せた。



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