真太郎は、勉強熱心で負けず嫌いだ。それも、ものすごく。赤司くんとも競ってる。…まぁ、毎回真太郎が負けてるらしいけど。とりあえず、私達の通う帝光中において、この2人がトップ争いをしているのは間違いないらしく、それでバスケも強いんだから言うことないかっこよさだと思う。占いとか信じてるのも可愛いしね。ま、料理できないのがたまにキズだけど。

しかし、だ。今は別にテスト期間ではない。むしろ、先週あたりに期末テストが終わったばかりだ。友達はテスト明けの休みだー!と遊びまくっていて、私も誘われたんだけど、今日断ったのは、今日が真太郎の誕生日だからだ。なのに。


「ねぇ、なんで私達勉強してんの?」

「勉強するというのは将来の」

「ああ煩い。違う違う。今日は真太郎の誕生日でしょ?なんでもっとこう…甘えてくるとか、お願いとか、誕生日らしいことしないの?」

「愚問だな。」


愚問だな、という真太郎の頭を、今だけはどついてお前のやっていることこそが愚行だと言いたい。その固い頭、どついたら少しは柔らかくなるんじゃないかな。


「誕生日というのは運気の下がる日なのだよ。だから、下手になにかするより部屋でこうして勉強していた方がいいに決まっているのだよ。」

「……さいですか」


どうやら私は、緑間真太郎という男を嘗めていたらしい。占い好き、というチャームポイントが憎たらしくてしょうがなくなった。誕生日プレゼントにと買っていたクラシックCDアルバム全10枚セットで殴りたい気分だ。割れろ、CDも真太郎の頭も。



「………じゃあ、お部屋で、なら、なにしてもいいんだよね?」

「まぁ、そうなるのだよ。外に出るより幾分か安全だろうからな。」


安全ってなんだ、安全って。あれか、外出たらお前轢かれんのか。

イライラしつつ、それを抑えて真太郎にすりよる。こうなったら、最後手段だ。その名も、『誕生日だから、私をあ・げ・る』大作戦。ベタだって?煩いよ。


「ね、真太郎?」

「…急にくっついてなんなのだよ」

「なんでもないよ。真太郎と離れたくないだけ。」


普段より甘さを交えた声音で言えば、真太郎の顔がひきつった。


「真太郎。大好き…」


腰に腕を回しながらそう囁けば、結構簡単に、真太郎の理性は崩れ落ちた。無言の真太郎にベッドに運ばれながら、真太郎も男の子だなぁとか思っていた。



prev/ next
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -