今日も朝から緑間くんに会えた。おは朝の占いってほんとに当たるなぁ。教室に向かう足取りも軽くなる。



「お!おはよー真ちゃん、水無月ちゃん。」

「おはよう高尾くん」

「フン」

「あーらら、不機嫌そうね真ちゃん。邪魔してごめんってばー♪」

「高尾、朝からふざけるのも大概にするのだよ」



今日も2人は仲良いね、って言ったら緑間くんには、水無月は眼科に行くことをおすすめするのだよ、と言われ、高尾くんには爆笑された。私変なこと言ったかな。



















緑間くんと話したのは、高校に入ってわりとすぐだったと思う。隣の席に座った、大きな緑色の髪をした人には心底驚いたけど、落とした消しゴムを拾ってくれたり、教科書を忘れたときに見せてくれたり、問題を当てられて、難しくて困ってるときにはこっそり教えてくれたり。確かに決して愛想はないけど、友達が言ってたみたいに怖い人ではなかった。

ちょっとずつ話すようになったとき、私は気になっていたことを聞いてみた。



「緑間くん。その、お人形、は?」

「知らないのか?マトリョーシカだ」

「いや、うん、知ってる。ちがくて、なんで机の上に?」

「何故?ラッキーアイテムに決まっているだろう。」

「あ、やっぱり。」

「やっぱり?」



後から聞いたことだけど、この時緑間くんは結構ほんとに驚いていたらしい。いつもはそう言うと、「は?」とか「え?」とか返ってくるんだって。



「緑間くん、蟹座?」

「そうだが」

「やっぱりー!私もなんだー!それでね、おは朝の占いをよく見るんだけど」

「おは朝占いを見るのか?!」

「へ?あ、う、うん。み、見るよ」



この時ほど話に勢いよく食らいついた緑間くんを私は他に知らないと思う。勢いつけて立ち上がったよ?



「お、おは朝占いでラッキーアイテムって言われたやつ、緑間くんよく持ってるからそれで…」



立ち上がった緑間くん。座ってる私。多分確実に1メートル以上差ついてる。そんな緑間くんに見下ろされながら、私がおずおずと言うと。



「水無月」

「はい?」

「オレはお前を変わったやつだと認識していたが、改めるのだよ」

「うん。え、変わったやつ?」

「お前はいいやつだ。」

「うん。え、いいやつ?」



この時、私は緑間くんを、緑間くんも大概変わった人だと思った。



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