※R18






「あははあ、郭嘉殿。何をしようとしてるんで?」
「何って、今から貴方を抱くんだけど」
「そうじゃなくて、なんで俺は腕を縛られているのかね」

夜に二人で酒を酌み交わして、いい雰囲気になって。自然な流れで二人は寝台にもつれこんだ。
こんな展開になるのは用意に予想できていた。期待していなかったと言ったら、嘘になるだろう。

しかし郭嘉はおもむろに、帯で賈クの腕を縛りだした。
さすがに賈クも驚いて、制止の声をあげた。するとこの色男はきょとん、とした顔で冒頭のように切り返してきた。


「あぁ。ちょっと開発してあげようと思ってね。」
「は?」
「賈クのからだをさ。貴方のからだを、さらにいやらしくしてみようかと」
「はぁ?!アンタ何言って」


告げられたとんでもない言葉に、おもわず賈クはからだを起こした。
しかし、どこ吹く風で郭嘉は続ける。


「私は賈クの乱れる姿がもっと見れるし、賈クはもっと気持ちよくなれる。悪くないだろう?」
「いやいや!今のままで十分なんで、遠慮させてもらいたいんだが」


非常に不穏な空気と、話を聞く気がまったくない郭嘉。不味い。不味すぎる。
冷や汗を浮かべる賈クをよそに、郭嘉はにこり、と情欲をにじませた笑みをしてみせた。


「大丈夫。桃源郷に連れていってあげるから、私に全部任せて」














「っ、ん…!」
「どうかな、気持ちいい?」


あの後、抵抗する賈クの腕を後ろ手に縛りあげて、押し倒した。
からだをひねって逃げようとするが、もちろん郭嘉は許さない。太ももの上に乗りあげ、身じろぎ一つさせない体勢をとった。
それでも抗議を続ける口を唇で塞ぎ、なかを舌でまさぐる。次第にぴちゃぴちゃ、という水音と甘い吐息がこぼれ、抵抗が弱まった。
その隙に指をはわせ、悪戯っぽく胸元に触れだした。


「っ、…こんな、中年の胸なんか、何が楽しいんだか」
「へぇ、まだ余裕がありそうだね」
「っ…!んっ、ぅ…!」


右胸に舌をはわせ、頂の周りをぐるりとなぞる。ときおり頂を掠めると、郭嘉の頭上から息をのむ音が聞こえた。
それに気をよくした郭嘉は、左手でもう片方の頂も掠めるようになでた。そうしてやると、賈クのからだがびく、と震えた。


「っ、おい、郭嘉殿…!」
「なぁに?」
「んっ、いい加減に、してくれ…っ!」
「…あぁ、次に進んでほしいってことかな?」
「ちがっ…!っ、ひっ!」


賈クの言葉を無視し、胸元を舐めあげる。舌先で右の頂をつつくと賈クの腰がぴく、と跳ねた。
舌をとがらせ、頂の先端をぐりぐりとほじるように押す。
同時に郭嘉の親指と中指が、左の頂をやさしく摘んだ。指の間からのぞく小さな先端を、人さし指で押しつぶした。






それから、郭嘉は根気よく、胸に愛撫を続けた。
そのうちに、賈クの呼吸は荒くなっていた。郭嘉に触れられる度にからだを震わせ、目はぎゅっ、と閉じられていた。
声をおさえようと噛んでいた下唇は、指を口内につっこまれていた。おかげで賈クは口を閉じることもできず、悩ましい声と吐息をもらすハメになっていた。


「っ、ひ、んぁ、くぅっ…!」
「ふふ。気持ちよさそうだね?」
「んっ、気持ち、ぅ、よくなんか、ひっ!」


いまだに快感を認めようとしない賈クに焦れて、郭嘉は犬歯で軽く頂を噛んだ。とたんに悲鳴のような嬌声が賈クの口から漏れる。
噛みついた頂はすでに芯をもって、硬くなっていた。ぷっくりと赤く腫れたそれが、郭嘉をいやらしく誘った。


「見て。文和のここ、赤くなってこんなに腫れてる」
「え、や、う、うそだろ…っ!」


幼子にものを教えるような穏やかな声で、けれど手元は容赦なく攻めながら声をかける。
その声に、硬く閉ざされていた賈クの目が開かれた。
そのまま言われるがまま自分の胸元へ、視線が動く。涙でぼやける視線のピントを合わせて。自分の胸元の状態を目の当たりにした。
途端。信じられない光景に、賈クの顔が一気に赤く染まる。

信じられない。まさか、いい年したくたびれた自分のからだが、ごく普通の性癖を持ってたはずなのに、こんなになるなんて。


「ちゃんと見て。こんなに赤くして…感じてるよね?」
「っあ!っや、ぁっ!も、嫌だっ…!」
「嘘はよくないな。下だってもうこんなに、ぐしょぐしょに濡らしてるのに」
「っひ、嘘、見るなっ!」


郭嘉が目線でさした賈クのそこは、すでに勃ちあがって先走りを流していた。
追いうちとばかりに、郭嘉は見せつけるように、胸元を抓って弄ってやった。刺激に反応するように砲身がぴく、と震え、先端から先走りがあふれ出した。


「嘘じゃない。文和のソコは胸を弄られて、こんなに喜んでる」


耳もとで熱っぽく囁く声にも、賈ク自身はぴく、と反応した。


「惚けた表情も、嘘吐きな口も喘ぐ声も。正直で淫らなからだも。…本当にやらしい」


そう言う郭嘉の目は、情欲の炎をつつみ隠さず映していた。
その目はまるで、獲物を前にした猛獣のようだった。


郭嘉の指摘に、(本人は認めようとしないが)賈クのからだは快楽を認識しようとしていた。
しかし快楽への抵抗もむなしく、次第に絶頂への欲求だけが頭を埋めつくしていった。


「っひ、あ、っかく、かどの…!」
「どうしたのかな?」


イきたい。けれど決定打となる刺激がないから、思うようにイけない。
それをわかっていながら、目の前の男は白々しく愛撫を続ける。

―――多分この男はねだらない限り、与えようとしないだろう。

しつこい胸元の愛撫から逃れるため、賈クはねだるように郭嘉の目を見あげた。


「っも、イかせて、くれ…!」
「おや、気持ちよくなかったんじゃなかったのかな?」
「や!っあ、…気持ち、いいからっ…!んっ、下も、触ってくれ…!」


意地悪い笑みを浮かべる郭嘉に、素直に快楽を認める。
恥も外聞もない。ただ、欲しくてたまらなかった。


「だぁめ。今日はここだけ」
「や、なんでっ…!!」
「だって、今日は文和のここを開発するんだから。他を触ったら、意味がないでしょう?」
「んぁ、や!ぁ、ひっ!」


にっこりと、笑顔だけ見ればただの爽やかな色男のそれで。残酷な宣言がつきつけられる。
絶望に目を見開く賈クをよそに、郭嘉が頂を摘み摩った。
もどかしい快感から逃れようとからだをくねらすも、縛られた腕がそれを邪魔した。
自分で前に触れることもできず、賈クはいやいや、と頭を横にふった。

こっちは男の矜持もめちゃくちゃにされたというのに、目の前の男はそれすら楽しんでいる。


「くぅ、っ最低だ、アンタ!んっ、この、やぁ、あくしゅみ…!」
「最低とは心外だな。私はただ、文和に気持ちよくなってもらいたいだけなんだけど」


何が気持ちよくなってもらいたい、だ。結局自分が楽しみたいだけだろうが。
そう雄弁に語る顔に、あやすように口づけを落とす。けれど手は愛撫を止めない。

太腿は快感に痙攣し、自身は解放を待ち望んでわなないていた。
本格的に追い詰められた賈クは、真っ黒な髪を乱して、叫ぶように懇願した。


「や、嫌だっ!ぁ、郭嘉殿っ」
「文和ったら、もう我慢できないのかな?やらしいね」
「ひ、んっ!頼む、ぁ、頼むから、イかせてくれ…!」
「…まぁ、最初だしそろそろ限界かな。好きなだけ、あげるよ」


何か不吉な言葉が聞こえた気がしたが、かまう余裕はなかった。
ようやく郭嘉が賈ク自身に触れて摩ると、あっけなく白濁があふれ出した。

絶頂の余韻に震える賈クの両足をつかんで、ぐい、と大きく開かせる。
郭嘉の意図に気づいた賈クは止めようとするが、震えるからだではそれも上手くできない。


「まさか、もう終わりだと思ってないだろうね」
「や、もう少し、待ってくれ」
「だめ。文和がやらしいから、私もこんなになっちゃった」


そう言って太腿に押しつけてくる郭嘉の股間は、すっかり硬くなり熱く脈打っていた。
息も少し荒くなり、郭嘉は完全に雄の顔をしていた。

逃げられない。
そう悟った賈クは、諦めるように目を閉じた。








戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -