飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


何時ものあの部屋に連れて行かれると思っていた私の予想と違い私は本を読んでいた寝室で手を縛られていた。ご丁寧にベッドのフレームに固定されて。
相変わらずフェイタンの動きは早すぎて一瞬の事で抵抗する暇など無かった。

−ちょっ

片足を縄で括られベッドの下をくぐらせもう一方の足をくくって行く。必然的に足は大きく開かれ、ワンピースの裾は腰少し下までめくれ上がる。
今まで拷問された時ずっと下着姿だったのだからそんなに恥ずかしがる必要はないのだけれど、この数日服を着て生活して取り戻した羞恥心が顔を火照らせる。

「何を恥じらてるね、前に全部見てるね気にする必要ないよ」

そりゃ何時も下着だったけどさと思ったがちょっと違和感を感じる。全部?全部って何?

「初めてリノンを殺した後に全部見たね」

私が何も話さずに困惑していると今日はやけに饒舌なフェイタンが言った。全部って、全部?起き上がった時には下着は付いていたから気がつかなかった。と思ったと同時に何処かに隠れてしまいたかった。

彼が不意に足をツッーと撫でてくる。
こそばゆい感覚とそこにそこに意識が集中するのと背筋がゾクゾクとする。

「それとも初めてか」

私の上に跨ったフェイタンは、そう言ったが、私の理解は追いつかなかった。

−初めて?何が?見られたのが?

とグルグル考えた後自分の生娘の様な思考回路に恥じらいがでかくなる。

−違うわ、した事あるのか聞かれてる。しかも、初めてかって事は……嘘でしょ

「ちがっ…ぅ」

思わず、勢いよく初めて出ない事を主張しようとしたら、彼があまり良い顔をしてない上に身体から少し湯気の様なものがメラメラと揺れているのがわかる。

何がいけなかったのだろうか。

「なら、何も遠慮する事ないか」

遠慮とか出来る人だとは到底思えないんですどと思うとフェイタンは一度部屋から出て行った。ベッドの上で一人大の字に縛られて何とも滑稽な自分の姿を頭をあげてみたが直ぐに天井に目線を戻した。

−ちょっと怖いかも

そう、感覚が麻痺してしまっているのか、痛みは和らいだりしないが拷問には慣れ、生き返るのは激痛で未だに慣れはしないが死ぬのはそれ程怖くない。

だけどこれから今までと違う行為をフェイタンから受けると思うとほんの少しの嬉しさと不安でドキドキと高鳴る鼓動に身体が沈んでいく様な気がする。

「あたね、捨ててなくてよかたよ」

フェイタンは何やら小さい小箱の様な物を手にしながら部屋に戻ってきた。
それをベッドにポンッと掘り投げて、私の足の間に座った。

「楽しみにしてるといいね」

少しいつもより優しく言うフェイタンに怖い怖いよと恐怖しか感じない。


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bkm
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