飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


出会ってどれくらいだろう。まだ、半年と少しくらいだろうか。でも、今まで此処まで人を欲しいと思ったことがあっただろうか。
可能ならば私の命をあげてしまいたいと思うほど、人を愛しいと思ったことがあるだろうか。
出来れば私が殺して。。。
何で、何で私が知らないところで、私じゃない誰かに殺されてしまったの?なんで私を置いて行ってしまったの?

ベッドに寝かせたフェイタンは冷たくて、何時もは意地悪ばかり言うのに何も言わずにただ眠ったように横たわっているだけ。

「ねぇ、何時もみたいに怒ってよ」

フェイタンにまたがってそう言いながらキスをしても何も言ってはくれない。いい度胸ねって言いながらニヒルに笑う彼はもう見れないの?

「待っててフェイタン」

私はフェイタンが前に私に飲ませた毒を煽った。
即効性は無いが特段苦しかった覚えもないし眠るように意識を飛ばすことが出来るだろう。

「寝てるフェイタンが悪いんだからね」

私はフェイタンにもう一度口づけて、フェイタンの顔を見たら離れたくなくてこのまま溶けて一緒になってしまいたいとそう思う。
私は、フェイタンを脱がせて何時も自分がされるようにゆっくりとフェイタンの肌を撫でていく、何時もの暖かさを感じない身体は少し硬直しているにもかかわらず、手や足は固まっていて関節は動かない。
フェイタンの身体なはずなのにそこにフェイタンはいない。

「んっ、、、ねぇフェイタン、、何とか言ってよ」

私はフェイタンのモノを自分にあてがって自分の中に受け入れた。
ネクロフェリアの癖を持つ人たちの気がしれない。こんなに虚しい。
だけど、だけど、これが最後だから。大体、起きないのが悪いのよ。。。こんなに私がフェイタンを求めてるのに触ってさえくれないの?
何度も何度も口づけながら冷たい彼を自分の中に感じる。

「ゴフッ、、、もし、次生まれ変わったら、、また、私と」

毒による吐血でフェイタンの身体が私で染まる。
さっきまで冷たく感じたフェイタンの身体が、自分の手が冷たいせいで少し暖かく感じる。

「ハァ、、ハァ」

もう、手と足が痺れてきて呼吸がしにくくなってきた。徐々に身体を動かすのが難しくなってきて、自分ももう長く無い事を実感するとともにフェイタンの傍に行けると思うとホッとする。

「ウッ、、、ハァ、、あい、、してるよ」

そう言ってフェイタンの頬を触ってもう一度キスをしようと体を前のめりにするともう自分の身体を支えるのが出来なくてもう、フェイタンの顔もハッキリとは見えない。フェイタンの顔の横に腕をついてゆっくりキスをした時、自分の身体の一部が熱く感じて、ゆっくりとゆっくりと体が闇に沈んでゆく。何時もと同じように暖かく。。。。。





「可愛いね」
ーチュッ



prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -