飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


―カチャッ

静かな部屋に鍵が掛かった音が良く響いた。フェイタンに買ってもらったチョーカーの鍵をフェイタンに付けてもらうのは何だかんだむずがゆいし、変な気分になる。立ったままだとちょうどフェイタンと同じ目線なので目線でじっと見つめられると無言なのに落ち着かない。

「可愛い?」

気持ちを紛らわせようとフェイタンに問うとフェイタンは何か企んでいるかの様にニヤッと笑う。なんだか少し、嫌な予感がする。

「それ、気に入たか?」

「えっ、、あっ、うん」

フェイタンはそう言って私の首につけたチョーカーを撫でる。生地は少し薄いレースで出来ていてチョーカー越しでも撫でられた感触はしっかり感じる。少しくすぐったくて首を傾けるとそのまま頬を撫でられる。暖かいフェイタンの手が気持ちいい。

「服脱ぐね」

「えっ、、?今?、、、、ぁっ」

フェイタンの急な要求に驚き、流石にそんな心の準備もしてないし、いくら素直になろうと思ってもそんな直ぐには恥ずかしいのもあるし、自分から脱ぐなんてと思っていると首元が絞められているのを感じて首に触れた。
ただ、首はフェイタンによって締められているのではなく、チョーカーによって締まっていて、それを止めようと手で掴もうとしたが、レースで出来ているはずのそれは、全然ビクともしない。

「大丈夫ね、殺す為に作られたわけじゃないよ、気を失う寸前で止まるはずね」

「ぐるっしぃ」

フェイタンに首を絞められた時とは違い。熱の籠らない無機質なそれは、喉まで圧迫してくる上に耳鳴りがするレベルで締め上げてくる。

「言われた事出来るまではそのままね」

あぁ、どうりで物好きと言われるわけだ。私がわかっていて選んだとフェイタンは思っているのだろうか、いや、絶対わかってない事を知ってて何も言わなかったのだろうと思いながらもずっとこのままいるのは流石に無理だっとスカートに手をかけたが、決心がつかない。

―あっ、ヤバイ

一瞬ブラックアウトしそうになり目の前が暗くなった瞬間少し緩まり一気に空気を吸い込み、倒れそうになったのをなんとか踏みとどまった。このままでは低酸素脳症になりそうだ。軽く指先が冷たく小刻みに震える様な感覚に陥る。
意を決してワンピースを脱ぐとフェイタンはベッドに腰掛けて私を見る。

「まだ、残ってるね」

「そんなっ」

もう、下着と靴下しか付けず太ももに着いた鞭が何とも滑稽だ。そりゃ、拷問や行為の後は大抵裸になってしまっている事が大半で、フェイタンに見られた事がないわけではないけど、立ったまま、そんなにじっと見られて自分で全て脱ぐという行為は私の羞恥心を煽る。

「まだか、止めるか?」

そう言われて、仕方なく、仕方なくだ。私は、ブラのホックに手をかける。毎度、私の予想を超えてくるフェイタンの要望は、私をドキドキさせる事に長けていて、ブラを外した私は手で隠しながら、着けていたそれを床に落として、チラッとフェイタンを見たら、真剣に私をジッと見ている。
ここで止まったらもう動けない様な気がして、勢いで下も脱ぐが、上を隠すと下を一時的に隠せなくて恥ずかしい。



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