飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「でだ、中身に意味が無いとすれば、タイトルか、作者に意味があると考える方が正しいか」

「無くなった時間を求めて白鳥家の方へ、そういえば本以外にも私の世界から来た作品ってあるのかな」

本についてはよくわからないが本のタイトルを並べると何処と無く一つの文書になっているような気がする。そのままのタイトルだとしても同じだがスワン家ではなく白鳥にしている事に意味があるとすれば、

「と言うと?」

「白鳥が書かれている絵とか本とか」

私がそう聞くとクロロは悩んで白鳥の有名な作品はいくつか有名な作品はあるが、どれが異世界から来た作品かはわからないと言った。確かに、本だと文字を見ればわかるだろうが絵だとわからない。

「全部見ていくしかないのかな」

「白鳥に絞ればそんなに多くはないだろう」

確かにそうだけど、私は基本的に興味のない事に時間を費やすのは好きじゃ無いんだよねっと思いながらもフェイタンのお仕事の手伝いだし仕方ないと諦める。私の世界で有名な白鳥の作品を思い出す。

「白鳥の湖、水面に像を映す白鳥、レダと白鳥、威嚇する白鳥」

「ん?少し違うがレートーと白鳥という作品なら知ってる」

まぁ、そこまで有名なものでは無いがっとクロロは付け加えた。レートーか、この世界と私の世界では似ているが国の名前が違ったりしている事から私の世界のものではなくて元の世界の作品に似たものの可能性もあるのでそれが目当ての物とは限らない。

「それってどんな絵なの?」

「裸の女と白鳥、赤子が描かれた絵だった。」

クロロはこの前売り払ったばかりだっと付け加えた。売ったってとんでも無い事を言いだすもんだ。もしもその作品が私の世界のものだったらと思った瞬間気がついた。

「レダと白鳥はもう現存してないはず」

「失われたが無くなったか、同義語だが消えた表現には無くなったの方が適切だな」

クロロと私はまだ完全に無くなった時間を求めて白鳥家の方への無くなったと白鳥に対しての答えしか分かっていないが恐らくは何かその絵が関係している事だけはわかった。だが、絵は既に売り払われた後である。

「何で売っちゃったの」

私は、溜息を混ぜながらそう言って、取り戻せないの?っと聞くとそれは無理だとかえってきた。まぁ、本の中身が関係していないように絵も、もしかしたら本物が必要とは限らない。私は絵のことを思い出しながら、適当に言葉を紡いでいく。

「ギリシャ神話、白鳥、ゼウス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、イタリア」

―ヴゥヴゥ

私がそんな事をぶつぶつと言っているとフェイタンからメールが来た。私は初めてのメールにさっきまでの事をすぐ忘れて、フェイタンのメールを見た。

―なにか欲しいものはあるか

短いメールだがとても嬉しい。何にしようかなと悩むが、あまり長く悩むとフェイタンが帰ってくるのが遅くなると困るなっと思いフランスのお土産ならっとすぐに返信する為にメールを打った。

―美味しい紅茶とマドレーヌが食べたい

あの小説の事を考えていたせいか、小説の一番有名なマドレーヌを食べるシーンを思い出しながらそう打って送った。
送信した後の画面を見ながらふと気付いた。

「イタリア」

「どうした?」

日本で使用していた携帯の英語入力の際、カナ打ちでイを打とうとすると#になるはず、アは@だったはずだ。他の文字がどうなるのかは、わからないが、文字数的にも可能性はかなり高い。

「#、g、x、@てイタリアって読むのかも」

「国か?」

そう言ったクロロに私はそうだと言った後、また、イタリアの特徴を言っていく、青の洞窟や斜塔、トレヴィの泉だが、フランスの時とは違い、あまりピンと来ないみたいだ。

「んー、後はコロッセオ、闘技場だけど、闘技場だと他の国にもあるしね」

「有名な闘技場なら天空競技場だな」

言ってみるか?とクロロが言った。ただ、そう言ったクロロは先ほどのような真剣な顔ではなくて少しニヤッと笑っている。何か他の事を考えついたのだろうと嫌な予感がする。

「ずっとここに居ても退屈だろ」

「そんな事ないよ」

私がそういうとクロロはフェイタン達にも行かせるつもりだが留守番してるかっと意地悪く聞いてくる。私は諦めてついていく事にした。






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