飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「でだ、リノンには、シャルとパクノダと共にミンボ共和国に行ってもらう」

全然世界地図がわからない私にとっては何処なのかサッパリ分からないが、クロロ曰く飛行で2日近くかかるらしい、フェイタンと喧嘩をしてから、3日目で私とフェイタンは仲直りもせず、1週間近くも離れる事になりそうだ。
だが、出かけるにも、もう一週間以上生き返りの能力を使っていないので、このままだと血を操る能力が使えなくなる。

「行くのは良いんだけどフェイタンは知ってるの?」

「いや、言ってないが喧嘩してるんだろ、それにそんな子供じゃないだろ」

確かにそうなんだが、このまま一緒に行っても私はただのお荷物になってしまう。かと言ってクロロが言うように喧嘩しているので自分からフェイタンには言いにくい。仕方ないこのまま行くかっと思っていると

「団長、リノンの能力はフェイタンありきじゃないと使えないわ」

隣に立っていたパクが誓約を濁してそう言った。そういえばパクは私の記憶を見たんだった。クロロは少し考えているみたいで口に手を当てる。考えているクロロの癖だ。

「戦闘は無いとは思うが、流石に念が使えないのは不便だな」

「そうだね、俺とパクも戦闘要員じゃないから、この中で一番戦闘力あるのリノンだしね」

そこで初めて知った。パクは記憶を読む能力っと言うのは知っていたけどシャルは戦闘要員でもないのにあんなに強いのかと改めて此処の人達の強さが相当なものだと言う事を。

「行くまでにどうにかしろ」

出発は確か明日って言ってなかったっけと思い出してなんて無茶苦茶な事を言うんだと思いながらは反抗したところでこの人は絶対譲らないだろうと諦める。もし無理ならこのまま行けばいいっと。

「まぁ、手伝うからさ」

シャルはそう言って笑っているが、そう簡単に行くのだろうか。シャルに気を使ってたら話しにくくなると言われたのに結局私は向き合う勇気もなく、今こんな状態になっているのに。
まるで、出掛けるから頼むよみたいなそんな風に仲直りしたくなかった。

「とにかく、話くらいしろよ」

クロロはそう言って、話は終わりだっと解散を促して、私達は部屋から出た。

シャルもパクもあまり人とずっと一緒にいるタイプじゃないので直ぐに別々に行動するかと思ったら、二人に少し話そうと言われて、居間に移動した。居間には他に誰もいないようでシャルはちょうどいいっと、私とパクも座れるスペースに座った。

「で、リノンはまだフェイタンと話してなかったの?」

「あはは」

フェイタンとギクシャクしてシャルに連れられて部屋から出て食事をしに行ったあの日、結局居間にはフェイタンは居なくて翌日話そうと思ったが、勇気が出なくて話していなかった。その間シャルは仕事だったのでそれを知らない。

「フェイタンになんて言ったの?フェイタン寂しそうだったわよ」

「フェイタンが寂しそうってパク違う人の事じゃないのそれ」

パクの言葉に私じゃなくてシャルがパクに聞いた。だけど、私にはパクが嘘を言っていると思えない。フェイタンは何時も私を心配し、私の事を心底愛してくれていた筈だ。それを私は信じられなかった。


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