飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


フェイタンからもらった文字の練習用の本をあれから勉強したが、どうやらよくわからなかった文字はアイウエオを違う文字で表現しているだけだった。お陰で英語のように難しくは無く、2日目にはおおよそ読めるようにはなった。

「バカではなかたか」

「酷い!頭はそんなに良くないけどバカではないもん!」

フェイタンは明日には、仕事で出かけるようで出掛ける前に文字を覚えた私に買い物くらいは出来るだろうとお金をいくらか貰った。ちなみにお金も円じゃなくジェニーだが価値は日本と変わらないようで思っていたよりも大変な事はなさそうだ。

「夜は17時には帰てくるよ」

「うん、人には着いてかないし、尾けられたら撒いてからホテルに帰ってくるし、毎日17時に電話する」

フェイタンに散々言われた事を復唱した。凄く過保護なパパのようだなっと思いながらも自分を心配してくれている事は嬉しい。ただ、もう何回も聴きすぎてそんな直ぐに忘れたりしないよっと耳が痛くなるのは許して欲しい。

「何か欲しいものはあるか?」

「んー、本が欲しいな、文字も読めるようになったし、あんまり、難しいのは無理だけど」

フェイタンは私がそう言うとそんなものでいいのか聞いてきた。元よりそんなに物欲がないので、誕生日に何が欲しいっと聞かれると凄く困るタイプの私は本が欲しいと出てきただけでも良かった方なのだけど、フェイタンは複雑そうな顔をした。

「今回の仕事で色んなものが手に入るね、欲しいものあれば一つくらい持て帰て来れるね」

こうゆう時少しフェイタンと自分の感覚の違いを感じる。確かにフェイタンは盗賊だし、そうやって暮らしてきたのだからフェイタンを咎める気は無いけど、やっぱり盗みはダメと教えられてきた私は人を殺したとは言えまだ何処か馴染めない部分を見つけてしまう。

「でも、宝石とか絵とかに興味ないから、わかんないや」

「そうか、なら面白そうな物があれば持て帰て来るね」

私は嘘ではない言葉を並べてフェイタンにそう言うと納得してくれたのかフェイタンは本を読み始めた。
文字を読めるようになった私は、さっきの違和感を忘れて、フェイタンが読んでいる本が気になってくる。私の視線に気づいたのか、フェイタンは私を膝に乗せて、私が見えるように続きを見始める。

−臓器の愛撫−オーガンレイプ
対象者をこの器具に入れると、中にあるナイフが腹部を切り出し内臓を生きたまま取り出す事ができ、器具の中に対象者を入れている間は痛みは緩和されないが臓器を潰したとしても死ぬ事はない。

まで読んで私はフェイタンの顔を見たら、フッとフェイタンは笑って

「気になるか、欲しいなら盗てくるね」

私は慌てていらないっと首を振った。ちょっと予想はしていたが、いつも何を読んでるのかと思ったら拷問用具の本のようだ。しかも、臓器を潰されて生きているなんて普通の物ならありえない。と考えると念が関係しているのだろうけど、人が使うだけじゃ無くて念がこもった物もあるのか。

「これって念がこもってるの?」

「もしくは、念で出来てるね」

特質系、具現化系もしくは操作系ねっとフェイタンは付け加えて言った。そうゆう使え方もあるのかっとちょっと関心する。だけどなんでよりにもよってそんな拷問する事に特化した物を作ったんだろうか、もっと便利な物にしなかったんだっと思いながらも、フェイタンみたいな人が結構いるのかなっと考えてブルっと震える。一般人はたまったもんじゃないだろう。

「拷問用具以外にも念で出来た物は沢山あるね」

「武器とか?」

「芸術品の中にも念がこもた物があるね」

私が思っていた以上に念は奥深い物のようだ。そうだっと思いつく。

「フェイタン、私武器が欲しいな」

「欲がないと思たら、宝石よりも大変な物強請るか」

「えっ、ごめん、そんな高価だと思わなくて」

念で出来た代物は、そんな高いのかっと驚いた。フェイタンやフェイタンの知り合いを含め、今まであった人達がみんな念能力者だった為、念を使える人は多いと思っていたけどさほど居ないようで、その中でも念で物を作ったり念を込めて物を作る人は極一部、そうなると必然的に価値は高くなる。

「良いね、楽しみにしてるよ」

フェイタンはそう言って私を撫でる。そんな高価な物を本当に手に入れられるのだろうかと思いながらもフェイタンが楽しそうにしているので、楽しみして待ってようと思う。


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