飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


あれから1時間早くも男は失禁し、気絶した。フェイタンは起こすのかと思ったら私の方へやってきて隣に座って、手について血をタオルで拭いた。

「起こさないの?」

「つまらないね」

フェイタンは電話してくるねっと言って廃墟から出て行った。

フェイタンが出て行くと薄暗い部屋に布を被った男血のでた男と二人きりになって、なんだか少し怖くなる。血まみれの男が怖いというよりかはちょっとホラーっというか、雰囲気が幽霊でも出そうな雰囲気でちょっと怖い。男から目を離すのもそれはそれで怖いので男を見ていると、

―ガタッ

廃墟の入り口から音が聞こえてフェイタンか、、もしくは幽霊かと思って立ち上がって恐々後ろを見た。だけど、振り向いた先には何もいなかった。ドキドキした心を落ち着かせようとさっきまで座っていた椅子に手をかけた瞬間。
私の手首に痛みが走った。

「っーーーーーぃったっ」

思わず痛む手をもう一方の手で抱き寄せると私の手首から下がなくなっていた。ここには私と椅子に貼り付けられた男しかないはずっと思い、後ろを振り返ったら男が、私の腕を掴んだ。それと同時に男から血が吹き出し、後ろに倒れた。私の腕から流れた血は無意識のうちに男を攻撃していたようで、腕から出た血は私の腕と繋がっているかのように動いて男をもう一度攻撃しそうになったのを必死で止めた。

「何してるね」

私のオーラか男のオーラに気付いてかはわからないけど、フェイタンが戻ってきた。フェイタンからは男が倒れている事しか見えない位置にいるだろうっと私は自分の切られた手に気付かれないようにゆっくり発を解除して血を縮めて切られた腕の付近の血を周で覆った止まることはなくてもダラダラと垂れることもないし、周で覆っている間は変幻自在だから圧縮することも可能だ。

「ごめん。急に攻撃してきたから、思わず。死んじゃったかな」

そう、情報を聞き出すはずが私の念で倒れた男はもしかしたら殺してしまったかもしれない。そうなったら大失敗だ。
フェイタンは私の言葉を聞いて男に近づいて、火のついた木炭に入れていた鉄の棒を取り出して

―ジューー

「あ゛あ゛あ゛がっぁ」

「大丈夫ね生きてるよ」

男の切り離されてしまった腕が無くなった肩を容赦なく焼いて止血しながら男が叫ぶのを聞きながらそう言って私の方を向いた。その瞬間、凄まじく怒っているのがわかった。

「何で言わないか」

男に言っているのだろうかと思って見ているとフェイタンは私から視線を外さない。そして気づいた。さっきまで男の姿しか見えていなかった位置にいたフェイタンだが、男の方を見ていた私は今フェイタンの方から切り取られた手も見える位置にいる。

「あっ、大丈夫、能力で血もそんなに出ないし、そんなに痛くないから」

「簡単に殺してやらないね」

そう言ったフェイタンは焼かれて意識を戻した男を桶を用意して、男の太ももを切って桶に流れた血を溜め始めある程度すると内臓を傷つけないように男の腰を一周切り裂き胴体と下半身を二つに分けた。男は声にもならないような声を上げながらそれでも肩を揺らしながら息をしている。フェイタンは胴体と下半身を桶にそのままつけて男の身体が倒れないように椅子を近くに置いて椅子に胴体を固定する。

「運が良ければ1日くらい生きられるね」

それは、1日は苦しまなくてはいけないことを指している。初めて指を切断された時の恐怖は今でも覚えている。今は、死ねばもう一度戻ってくることがわかっているから前のように怖くはないが、今手首から先がないのですら痛いのに目の前の男は腰から下は臓器が出ているのにもかかわらず呼吸をして息をしているのだ。相当な恐怖だろう。自分がされているわけではないのに想像して緊張して喉が渇く。

「よ、良かったの?死んじゃうんじゃない?」

「外れだたみたいね」

そう言う事か、情報を持っていると思っていた男は知りたかった情報は持っていなかったから元々用済みだったという事か。余計なことをしていなければ楽に死ねたかもしれないのにっと思っているとフェイタンがタオルで手を拭いた後私の切断された方の腕をつかんだ。

「ワタシはお前にも怒てるね」

そう言って睨まれた瞬間フェイタンの後ろにいる男が目の端に移って、恐怖を感じながらごめんと言うと許さないねっと低い声で言われた。


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